トヨタ ヤリス&ホンダ フィット新型をカタログスペック比較!《撮影 中野英幸》

取り回しのしやすさはもちろんのこと、近年では、走行性能や乗り心地も著しく向上し、注目を集めるコンパクトカー。先進安全装置やハイブリッドなどの採用も進み、コストとクオリティのバランスに優れたモデルを各メーカーが競い合うように送り出しているカテゴリーだ。

その中でも注目の車種といえば、今年2月、ほぼ時を同じくし登場したトヨタ『ヤリス』新型とホンダ『フィット』新型の2台だ。スペックなどを中心に、改めて比較をしてみよう。

◆トヨタ ヤリス…燃費の良いハイブリッドから1.0L、6MTモデルも


操る楽しさを原点から見つめ直して作ったというヤリスは、コンパクトカーとして初めて採用したTNGAプラットフォームの恩恵もあり、車両重量が同サイズの他の車に比べて軽く、その結果、操縦性がよく、高い燃費性能を実現している。

パワートレインは3種類あり、高出力と燃費の両立を目指して開発した1.5リットル「ダイナミックフォースエンジン」と、低・中速域のトルクが充実した1.0リットルエンジン、WTLCモード燃費で30km/リットルを超えるクラス世界トップレベルの低燃費を実現したハイブリッドから選べる。また、トランスミッションについては、1.5リットルガソリン車に6MTのモデルを設定しており、マニュアル派の要望にも応えているのも注目のポイントだ。


安全性能では、駐車の際に、カメラとソナーにより、ステアリングやアクセル、ブレーキの操作を制御し、アシストする高度駐車支援システム「アドバンストパーク」が画期的。交差点での歩行者や自転車の検知機能を高め、回避操作を高めたプリクラッシュセーフティや、車線の中央を走るようにステアリング操作を助けるレーントレーシングアシストなども備えた。

機能性の面では、好みのシートポジションを記憶させておき、手軽に復帰することのできる「運転席イージーリターン機能」や、運転席・助手席のシートが回転しながら傾き、乗り降りをサポートしてくれる「ターンチルトシート」などが初めて装備された。


価格は139万9500円〜249万3000円。1.0リットルモデルについては、軽自動車と変わらないほど、手ごろな価格となっている。

【トヨタ ヤリス】

・ボディサイズ:全長3940×全幅1695×全高1500、ホイールベース2500mm

・車両重量:940kg〜1180kg

・最高出力/最大トルク:
 1.0リットル:51kW(69ps)/92Nm(9.4kgfm)
 1.5リットル:88kW(120ps)/145Nm(14.8kgfm)
 ハイブリッド:67kW(91ps)/120Nm(12.2kgfm)+モーター59kW(80ps)/141Nm(14.4kgfm)

・トランスミッション:
 ガソリン車:ギヤ機構付自動無段変速機/自動無段変速機/6速MT
 ハイブリッド:電気式無段変速機

・WTLCモード燃費:
 ガソリン:19.2〜21.6km/リットル
 ハイブリッド:30.2〜36.0km/リットル

◆ホンダ フィット…ライフスタイルに合わせた多彩なモデル 安全支援システムも充実


フィットの強みである低床設計による室内空間、荷室の広さはそのままに進化。視界、座り心地、乗り心地、使い心地の4つの”心地よさ”をコンセプトとした、ライフスタイルに合わせた5つのモデルを展開。全タイプに先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を搭載したことも特徴だ。

ガソリンモデルのエンジンは1.3リットルのみの展開。ヤリスの1.0リットル、1.5リットルモデルと見比べると、出力もトルクもちょうど中間的なものとなっている。一方、ハイブリッドの「e:HEV」については、モーターの出力やトルクが非常にパワフルで、走り出しや加速の力強さに寄与している。

Honda SENSINGは、広い水平画角のフロントワイドビューカメラと前後のソナーセンサーを使って、適切な車間距離を保つように支援をしたり、夜間での検知や自転車の検知、後方誤発進抑制機能などのサポートを行う。


また、最近流行のクロスオーバーSUVを求める人にも対応している点もフィットの特徴で、そのモデルが「クロスター」だ。全長4090mm、全幅1725mmと他のモデルに比べ、全長が95mm、全高が30mm拡大されていて、最低地上高も5〜25mmほど高められている。アウトドアなどアクティブに楽しみたい人や、コンパクトカーだと少し手狭に感じるという人に良いだろう。

価格は155万7600円〜253万6600円。1.0リットルモデルのあるヤリスに比べて、ベースグレードの価格は当然高めだが、ハイブリッドモデルは199万7600円からで、同程度となっている。



【ホンダ フィット】

・ボディサイズ:全長3995×全幅1695×全高1515(4WDは1540、または1565)、ホイールベース2530mm
 ※クロスター:全長4090×全幅1725×全高1545、ホイールベース2530mm

・車両重量:1100kg〜1280kg

・最高出力/最大トルク:
 ガソリン:72kW(98ps)/118Nm(12.0kgfm)
 ハイブリッド:72kW(98ps)/127Nm(13.0kgfm)+モーター80kW(109ps)/235Nm(25.8kgfm)

・トランスミッション:
 ガソリン車:無段変速オートマチック(トルクコンバーター付き)
 ハイブリッド:電気式無段変速機

・WTLCモード燃費:
 ガソリン:17.0〜20.4km/リットル
 ハイブリッド:23.2〜29.4km/リットル

◆走りの選択肢ならヤリス、広さ・実用性ならフィットか


ボディのサイズ感はほぼ同じ。ガソリン車においてはエンジン排気量や6MTを選べるヤリスは、走りそのものも楽しみたいという人におすすめだ。スポーツモデルの『GRヤリス』のベースとなっていることからも、その素性の良さがうかがえる。

一方で、フィットはSUVタイプの「クロスター」のほか、ラグジュアリーな「リュクス」、日常の使い勝手に重きを置いた「ホーム」など、多彩なスタイリングと日常の使い勝手が魅力的だ。

ハイブリッドについてはスペック的には、ヤリスの方が燃費重視で、フィットの方がパワフル。出来る限りエコな暮らしを心がけたい、燃費をできるだけ抑えたいという人はヤリス、環境性能と力強い走りを両立したいという人にはフィットがベターな選択となるだろう。

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