BMW Z4 新型(M40i)《撮影 平川亮》

『Z4』のオープンとクローズドで走りに変化があるという事は一般走行でも確認していた。

ホームの袖ヶ浦フォレストレースウェイで全開走行すると、一般公道と路面の摩擦係数は同レベルのハズなのに、やはりコーナーでフルパワーを加えたり、100km/hオーバーで強い横Gを受けた際の動きや剛性感の違いは歴然である。

本来は『スープラRZ』との比較のつもりだった『Z4 M40i』だが、改めて硬派のオープンスポーツカーである事を認識した。


ハンドリングのとくに応答の立ち上がりの素早さはもちろん素晴らしい。ステアリングにズシッとくる手応えが特長で、足回り、特にリアサスを含む剛性感にもスープラとの違いがあり興味深い。

ハンドリングの正確さと安定性のバランスがいい順番に並べると、Z4オープン<スープラRZ<Z4クローズド…の順になる。

その差が表れる5・6・7コーナーは、6と7の中間地点に段差があり、VSCをOFFしてややドリフトぎみに通過すると、そこから一気にテールスライド量が大きくなる。ここでカウンターステアと駆動力によるドリフト姿勢の維持と、そのコントロール性、スライドの収束のしかたにオープンとクローズドで明確な違いがある。

もちろん安定方向はクローズド状態で、ソフトトップを閉じた時の剛性感はスープラと同程度か、いや、リアサスの剛性感で言うとスープラを上回る感もある。が、そこはZ4が標準よりもさらにスポーツ性の高いM40iである事が、スープラRZとの差別感。


スープラにもさらにスポーツ性を強調するモデルはいつでも用意可能、という裏返しとも言える。

Z4 M40iの、とくにクローズド状態でのハンドリングを含む自由度、自在なコントロール性の高さが光る。その意味で、スープラRZよりも上、と断言できる。


桂 伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてレポーター活動を開始。幼少期から憧れだったレース活動を編集部時代に開始、「走れて」「書ける」はもちろんのこと、 読者目線で見た誰にでも判りやすいレポートを心掛けている。レーサーとしての活動は自動車開発の聖地、ニュルブルクリンク24時間レースにアストンマー ティン・ワークスから参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。11年クラス5位、13年は世界初の水素/ガソリンハイブリッドでクラス優勝。15年は、限定100台のGT12で出場するも初のリタイア。と、年一レーサー業も続行中。

協力 ビー・エム・ダブリュー・ジャパン、袖ヶ浦フォレストレースウェイ
撮影・編集 佐藤靖彦

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