BMW M3 EV プロトタイプ《APOLLO NEWS SERVICE》

BMWのスポーツ部門「M」が、独ニュルブルクリンクで高性能電気自動車『M3 EV』の高速テストを開始した。M3が電動化されるというのは大きな出来事だ。「E30」までの軽量4気筒を「E36」から直列6気筒に置き換えて以来、最大の出来事と言っていい。

自動車メーカーは、SUVやミニバンを含むあらゆる種類の試作車をニュルブルクリンクに持ち込む。20.6kmのコースは、自動車の耐久性や操縦バランスをテストするのに役立つからだ。そしてBMW M3 EVもそういったテストに投入された1台だ。

Mの幹部たちは、M3 EVがこれまでのどのM車よりも厳しく精査され、Mの信頼性が問われることはわかっている。電気自動車のM3がどれだけ良いか、あるいは悪いかを確実に知るためには、早くても2026年まで待たなければならないが、今のところ開発状況は良好のようだ。

M3 EV量産型のプラットフォームには「ノイエクラッセ・アーキテクチャ」を採用する。これは2025年後半に『iX3』SUVでデビューし、2027年には標準型「3シリーズ」に、その1年後には内燃機関「M3 ICE」に展開される予定となっている。3シリーズの中ではM3 EVが最初の適用例になりそうだ。

レーストラックを走る「ノイエクラッセ顔」のM3 EVの画像からは、これまでのBMW車では見られなかったいくつかのディティールが見られる。プロトタイプは、幅の広いホイールアーチが装備されているが、これはまだ最終版ではない。ブレーキには、アルミホイールの直径にほぼ等しい2つの巨大なディスクが備わっている。側面では、フラッシュドアハンドルを装備、右後部にはバッテリー充電ポートが配置されている。また、リアクォーターウィンドウのホフマイスターキンク(BMW特有の“折れ”)はカモフラージュされている。

注目のパワートレインは、最大710psのクワッドモーター電動ドライブトレインが設定される可能性がある。これはBMWが以前、将来の高性能EVで発揮できると語っていた最高出力1360ps/1000kWという数字は下回るが、併売される予定の内燃機関M3の最高出力600〜650psを大幅に上回る。また、トルクベクタリング機能と、モーターとシャーシを同期させる新しい中央制御ユニットにより、価格やパワーに関係なく、市販される中で最も楽しいEVの1車種になるかもしれない。

M3 EVのワールドプレミアは、2026年後半から2027年にかけてと予想される。市場では、アルピーヌの『A110』次期型や近々発売予定のポルシェ『718ケイマンEV』と対峙することになるだろう。

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