トヨタ クラウンスポーツRS《写真撮影 島崎七生人》

“スポーツ”の名が与えられたこの『クラウン』。フェラーリ『プロサングエ』風に見えなくもない、クラウンとしては弾けたダイナミックな造形は、何度見(?)してもとにかくインパクトは絶大。

改めて見ておくと、“クロスオーバー”と較べると、全長は210mmも短く、ホイールベースも80mm短い。トレッドは前後とも共通だ。その凝縮感を助長するのが抑揚に溢れたボディ面で、とくにリヤフェンダーの力感は国産車の中でも有数。デザイナーの力作であり、ユーザーからもこのマッシブなスタイルは「かっこいい!」と評価が高いのだそう。

試乗車は2.5リットル・プラグインハイブリッド(PHEV、レギュラーガソリン仕様)の「RS」。試乗の印象は、名は体を表わすを地で行き、クラウンというよりももっとコンパクトなクラスのクルマを走らせているかのよう。ステアリングは応答遅れがなくスッとクルマの向きを変え、自分で操っている感覚を存分に味わわせてくれる。

後輪操舵のDRS始め、VDIM、ACA制御などの効果にも支えられ、自然で安定感のある走りを見せてくれる。システム最高出力は306psとのことで、十分な余裕があるところがよく、速度を高めた(または高めたい)場合にも、ストレスなくスムースにパワーを発揮。ドライブモードのSPORTを選ぶと、スポーツカー顔負けの振るまいが楽しめる。

21インチタイヤを装着し、ごく低速での乗り味は引き締まった印象も。ただし速度を問わずキチンとダンピングが効いていることがわかるのが気持ちよく、ボディ剛性の高さで乗り心地の上質感も保たれている。

後席はシートバックがやや起きているが、これはドライバーと共に走りを楽しむためのものといえばいいか。ラゲッジスペースは床面の奥行き910mmほど、幅は1030〜1440mmほど、トノボードまでは360mmほど(筆者実測値)。パートナーとの小旅行に出かけるような用途が相応しそうだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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