ダイハツ・ロッキー《写真提供 ダイハツ工業》

ダイハツ工業は5月19日、ダイハツ『ロッキー』およびOEMメーカーとしてトヨタ自動車に供給しているトヨタ『ライズ』のHEV車の、ポール側面衝突試験(UN-R135)に関する認証手続きに不正があったことを公表し、同日、出荷・販売を停止した。

ダイハツは4月28日に、海外向け車両の側面衝突試験(UN-R95)の認証申請において不正行為があったことを公表していたが、その後の社内での点検を行う中で新たに不正行為が見つかった。

ポール側面衝突試験(UN-R135)では、左右の試験を実施する必要があり、その試験データの提出が必要になる。今回、助手席側(左側)は立会いのもと試験を実施した。いっぽう運転席(右側)側は、右側の社内試験データを提出すべきところ、左側のデータを提出したという。

ダイハツとして、今回の不正は、車の安全に関わる領域での不正であり、社会的に許されるものではない、とする。さらに不正行為を発生させた理由として、経営マネジメントが現場に寄り添えず、法令遵守や健全な企業風土の醸成が疎かになる中で、正しいクルマつくりを見失なった、とする。

ダイハツでは、今回の不正行為をひとつの業務行為の問題で終わらせることなく、企業グループ全体の理念、行動指針に結びつけた改革にしたい、とする。そのために、まずは全員で立ち止まり、不正行為をせざるを得なくなった背景・環境・真因を究明、改善・再発防止に取り組む、としている。また、経営マネジメントは直ちに現場とのコミュニケーションをとり、本音で話のできる職場つくりに注力していくという。

トヨタ・ライズ《写真提供 トヨタ自動車》 ポール側面衝突試験(UN-R135)《画像提供 ダイハツ工業》