フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》

フォルクスワーゲンは9月6日、新型EVミニバン『ID.Buzz』(Volkswagen ID.Buzz)を9月19日、ドイツ・ハノーバーで開幕する「IAAトランスポーテーション2022」に出展すると発表した。

◆室内は2列シートで乗車定員は5名
欧州仕様車は導入当初、全長4712mm、全幅1985mm、全高1937mm、ホイールベース2988mmの標準ボディのみになる。室内は2列シートで、乗車定員は5名だ。ドイツ・ハノーバー工場で生産される。

一方、2023年に北米向けに発表されるロングホイールベース仕様車は、延長されたボディを生かして、3列シートを装備する。前席が2名、2列目が3名、3列目が2名の合計7名乗りを可能にする。なお、北米市場向けのID.Buzzは、ロングホイールベース仕様車の乗用モデルのみになり、2024年に発売される予定だ。このロングホイールベース仕様車の生産拠点は、北米(米国やメキシコなど)を計画している。

標準ボディの2988mmのホイールベースは、フォルクスワーゲンの主力商用車の『T6』比較として、2mm違うだけだ。一方、T6の全長4904mmに対して、 ID.Buzzの全長は192mm短い。これにより、T6と同様の室内長を維持しながら、より小さな駐車スペースに停めることができるという。

◆オプションでツートンカラーが選択可能
ID.Buzzのエクステリアには、初代の「T1」(『Bulli』とも)のデザインモチーフを取り入れた。短いオーバーハングやスペース効率の高さ、V字型のフロントマスクなどがT1から受け継がれた。オプションで、ツートンカラーが選択できる。

バッテリーは、サンドイッチ構造のフロア下に配置されており、重心を低くし、前後重量配分にも配慮した。このレイアウトのおかげで、ID.Buzz の最小回転半径は、5.55mに抑えられる。また、ID.Buzzの全幅は1985mmで、T6よりも81mmワイドだ。全高は1937mmで、T6の全高1970mmと比較して、およそ30mm低くした。アルミホイールは、18〜21インチサイズを用意している。

標準ボディの荷室容量は、最大1121リットルを確保した。2列目シートを折りたたむと、荷室容量は最大2205リットルに拡大する。インテリアは、フォルクスワーゲンで初めて、動物由来のレザーの使用をとりやめた。その一方で、リサイクル素材を積極的に用いる。また、インテリアの細かい部分には、伝説的なT1のキャンパーバンのモチーフが生かされているという。

◆1回の充電での航続は最大で423km
ID.Buzzは、フォルクスワーゲングループの新世代EV向け車台の「MEB」がベースだ。モーターはリアアクスルに搭載され、最大出力201hp、最大トルク31.6kgmを引き出す。最高速はリミッターによって、145km/hに制限される。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は82kWh(正味容量は77kWh)とした。1回の充電での航続は、最大で423km(WLTPサイクル)に到達する。

リチウムイオンバッテリーは、出力11kWの交流(AC)を使用して、自宅のウォールボックスや充電ステーションで充電できる。DC(直流)急速充電ステーションでは、「CCS」プラグコネクタを介して、最大出力170kWで充電できる。この場合、バッテリーの最大80%の容量を、約30分で充電できる。

「プラグ&チャージ」と双方向充電を導入する予定だ。プラグ&チャージを利用すれば、充電コネクタを通じて、DC急速充電ステーションで認証を行い、必要なデータをやり取りでき、各種サービスの可能性が広がる。また、双方向充電を利用すれば、ID.Buzzのバッテリーから家庭の電力ネットワークに給電する「V2H」も可能という。

フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》 フォルクスワーゲン ID.Buzz《photo by VW》