日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》

「オトナのためのノート」だと感じた。オーテックが仕立てたこのクロスオーバー版の『ノート』は、ただ時流に乗っただけのクルマでなく、上質感がタップリとあるところが特徴で、ベテランのユーザーを含め幅広く受け入れられそうだ。

◆ノート・オーテックとの違い


「クロスオーバーというとアクティブでポップな商品が世の中には多い。でも質感を感じて戴けるようなコンパクトクロスオーバーにしたくて投入した」とは、オーテックジャパン・高木祐美さんの話。なるほど短時間の試乗だったが、実車に触れて、そのことは理解できた。

改めておくとオーテック版『ノート』には、いわば標準車の「オーテック」と、「オーテック・クロスオーバー」の2タイプがあり、どちらにもFWDモデルと4WDの“FOUR”が用意される。


今回の試乗車は「オーテック・クロスオーバーFOUR」で、ポイントは『ノート・オーテック』比で車高が25mm高められている点。僅か25mm?と思うかもしれないが、想像するよりその効果は絶大で、乗り降りがグッとしやすくなり、乗り込んでクルマの回りを見渡せば、視界が随分広くなることもわかる。

着座位置が高くなれば有料駐車場のゲートで発券機に手を伸ばすのもラクになる。要するにご年配のユーザーにもオススメしやすいクルマという訳だ。

◆ダウンサイザーにも納得の仕上がり


インテリアの上質感もよく、ダウンサイザーにも納得の仕上がりだ。とくにブルーのステッチとロゴの刺繍が入った専用ブラックレザレットシートは、しっかりとした風合いで着座感、触感がよく、このあたりのノウハウが豊富なオーテックのセンスが生きている。

基準車の表皮はブルーとコンビだが、落ち着いたブラック一色とし、メイン部分のユニークなパターンはプチ・ゴージャス(!?)な趣で気持ちを豊かにしてくれる。湘南の海をイメージした同社のシンボルであるブルーを使ったラゲッジマットも載っていた。

外観では専用ルーフレール、ワイドフェンダーもモールディングとサイドシルプロテクターなどを装備。が、いずれもさりげないデザインで、その中でマセラティ風(!?)のデザインの専用アルミホイールが足元を引き締める。タイヤは195/60R16 89Hサイズが装着される。

◆例えるなら欧州車調の剛性感のある走りっぷり


走らせてみると、安定感の高さが印象的だった。バネ、ダンパー、ステアリング特性はいずれも専用チューンとのことで、試乗車がまだ1000kmにも満たない“下ろしたて”だったせいか、さらに走り込めば、よりこなれた印象になりそうだが、操舵感を含め、例えるなら欧州車調の剛性感のある走りっぷりだったとお伝えしておこう。

動力性能は最新の『ノート』のそれで、日常使いから遠出までストレスのないドライブが堪能できる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》 日産 ノート オーテック クロスオーバー FOUR《写真撮影 島崎七生人》