BMW i ハイドロジェン NEXT(フランクフルトモーターショー2019)《photo by BMW》

BMWグループは、フランクフルトモーターショー2019(Frankfurt Motor Show)において、最新の燃料電池コンセプトカー、BMW『iハイドロジェンNEXT』(BMW i Hydrogen NEXT)を初公開した。

同車は、BMWグループの燃料電池技術の分野における最新のイノベーションを紹介するコンセプトカーだ。BMWグループはBMW『5シリーズ グランツーリスモ』をベースに燃料電池駆動システムを搭載した試作車を、2015年の夏からテストしている。

フランクフルトモーターショー2019で初公開されたBMW i ハイドロジェンNEXTによって、BMWグループの量産車にこの駆動技術を搭載することを目的とした戦略は、次の段階へと踏み出す。BMWグループによると、将来のローカル・エミッション・フリー・モビリティの実現に向けた、もうひとつの開発の目玉になるという。

◆電動車の真打ちが航続の長い燃料電池車となる可能性

BMWグループは航続を考慮した場合、水素燃料電池技術が電動車の真打ちとなる可能性があると見込む。BMWグループは、今後10年以内にこのテクノロジーの需要が増大すると予想しており、2022年には燃料電池車の試験用車両を導入する予定だ。

BMWグループはゼロ・エミッション・ドライブ実現に向けて、バッテリー式eドライブ・システム(EV)、プラグイン・ハイブリッド・ドライブ・システム(PHV)と並んで、水素燃料電池技術分野での開発作業を進めている。フランクフルトモーターショー2019でワールドプレミアされたBMW i ハイドロジェンNEXTは、2022年をメドに計画されている新型BMW『X5』をベースにした少量生産の次世代燃料電池車の先行開発車両だ。

◆トヨタと協力して燃料電池の開発を推進

BMW i ハイドロジェンNEXTは、BMWグループが取り組むゼロ・エミッション・モビリティの正当性を実証し、また世界中の顧客の移動手段の必要性に対して、さまざまな駆動技術を用意するための研究の成果になるという。

水素燃料電池技術は燃料の補給が短時間に行え、航続が長く、従来型の動力を搭載する車両と同等の利便性と多用途性が得られるため、大きな可能性がある。BMWグループは、2013年に始まったトヨタ自動車との協力の一環として、水素燃料電池駆動システム分野の開発を推進している。

◆燃料電池車と認識できる専用デザイン

BMW i ハイドロジェンNEXTのデザインには、革新的で持続可能なキャラクターに焦点を当てたアクセントが細部に組み込まれている。外観は、ボンネットなどに特長的なBMWの「i Blue」のパターンが添えられた。このパターンは、立体的なフロントグリルにも採用される。i Blueパターンは、ミネラルホワイト塗装のボディのフロント&サイドを横切るように、躍動的な流れを生み出している。アルミホイールも専用デザインとなっており、燃料電池車であることを示している。

リアは、BMWの「i Blueディフューザー」が装備された。エキゾーストテールパイプのないデザインは、ゼロエミッション車であることを明確に強調している。

i ハイドロジェンNEXTは、水素燃料電池テクノロジーを、BMW X5のようなSUVに効果的に組み込めることを実証している。車両の設計にわずかな変更を加えることで、BMW iモデルとして認識できるようになる、としている。

BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》 BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》 BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》 BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》 BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》 BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》 BMW i ハイドロジェン NEXT《photo by BMW》