マツダ ロードスターRF 改良新型《撮影 諸星陽一》

わずか半年で改良
マツダのライトウエイトFRスポーツ、『ロードスター』の電動ハードトップモデル『RF』がマイナーチェンジされた。つねに最良のモデルを市場に送り出すために技術の出し惜しみをしない…というのが最近のマツダの考え方。ロードスターは前回の改良からわずか半年で大きな変更を受けたこととなる。

今回のマイナーチェンジのもっとも大きな出来事は、2リットルエンジンの改良。RF用2リットルエンジンは、『アテンザ』や『アクセラ』などにも使われているものと基本的には同様なものの、FRレイアウトで使われるのはロードスターのみ。ロードスター専用に近いエンジンでありながら、その内容はかなり濃い。

重量増をカバーする2リットル
吸排気系やサイレンサーなどはもちろん、シリンダーヘッドやピストン、コンロッドなどのエンジン本体にまで手を掛けた変更。高回転域での吸入空気量を増やしたほか、回転系パーツの軽量化、吸排気損失の低減、燃焼時間の短縮化などが施され、全回転域でのトルク向上と高回転域での出力性能アップが図られたという。

RFはソフトトップに比べて約100kgも重いため、エンジンが2リットルとなっている。重量増をカバーするためのエンジンなので、当然のように低速からしっかりしたトルクを発生するタイプのもの。今回の改良でもその特性は受け継がれている。

低回転から気持ちいい
1.5リットルは比較的回していかないと加速がおぼつかないが、この2リットルは低回転からしっかりトルクがついてきてくれるので、よりイージーなドライビングが可能。それでいて今回の改良によって、高回転時の伸びがよくなり、トルクアップも行われているので、回して楽しめるエンジンとなった。

従来6800回転であった最高回転数は7500回転にアップされている。サイレンサーの内部構造を変更したことにより、抜けのいい乾いた雑味のないサウンドが得られている。とくに、低回転時の力強い音となっているのは、普段使いでも気持ちよさが感じられる部分だ。

テレスコピックが追加
今回、マイナーチェンジにも関わらず、ステアリングの調整機構にテレスコピック機構が追加された。リクライニングで調整できない部分をカバーできるだけでなく、フルバケットシートを付けたときにも使いやすい。今までなかったことがおかしいのだが、マイナーチェンジであってもそれを採用してきたのは非常に好ましいことだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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