新旧ドゥカティ230台によるパレードランは圧巻。事前でのエントリーは早々にいっぱいになってしまったという。《photo by 小川勤》

◆ポルシェ・エクスペリエンスセンターで世界初のドゥカティイベントを開催!
都内から「Ducati Day 2024」が開催される千葉県木更津市のポルシェ・エクスペリエンスセンター東京(PEC東京)に向かう道中、多くのドゥカティを見かけた。

70年代のベベルエンジンを搭載するモデルや、90年代に登場し世界中でブームを巻き起こした歴代『モンスター』、そして華やかな最新モデルなど、多彩なドゥカティサウンドを聴きながら会場に向かうのはドゥカティ好きには至福の時間。新旧ドゥカティサウンドが混ざる様子は、ブランドの歴史の長さも感じさせてくれる。

数日前まで心配されていた天気はなんとか回復し、初夏のような気候の中PEC東京には1340名が来場。僕が出会った一番遠方からの参加者は鹿児島から『ムルティストラーダ』で来た方。前日に静岡まで1300km走り、イベント当日に200kmほど走りやってきたという。その他、関東近郊はもちろんだが、北海道、神戸、大阪、静岡など、この日を待ち望んでいた自走組が目立つのも印象的。

それもそのはずで、ドゥカティジャパンがドゥカティオーナー、そしてドゥカティが気になる他メーカーのユーザーに向けたミーティングを誰でも参加できる形で開催するのは今回が初めてのことなのだ。

「昨年からPEC東京と交渉をしていたんです。ポルシェ・エクスペリエンスンスセンターは世界各国にありますが、ドゥカティがイベントを行うのは日本が最初になります。世界初ですね。プレミアムなイベントにしたかったので、この場所を選びました」とドゥカティジャパンのマッツ・リンドストレーム社長。

ドゥカティとポルシェはフォルクスワーゲングループである繋がりからこの場所での開催が実現。ドゥカティは近年、同グループのランボルギーニやベントレーとのコラボモデルも発表しているが、これもフォルクスワーゲングループだからできるプレミアムな試みだ。

ちなみにこのコースでバイクのイベントを行うのは初めてのこと。ニューモデル試乗やパレードランは事前申し込み制だったが、一瞬でその枠は埋まってしまったという。

◆ドゥカティらしいコンテンツで、イタリアンの魅力を伝える
PEC東京のレセプションには様々な歴代ドゥカティが展示され、四輪メーカーとのコラボモデルは、『ディアベル1260ランボルギーニ』&『ストリートファイターV4ランボルギーニ』とランボルギーニ『ウラカン』の展示、『ディアベル for ベントレー』とベントレー『ベンテイガ』の展示、グループブランドであるアウディのパフォーマンスモデル『RS3 スポーツバック』も展示されていた。

また、奥のメイン会場には現行モデルとスクランブラーの世界観を伝えるエリアとステージを設置。ステージでは今季より『パニガーレV4R』のファクトリーマシンを使用して全日本ロードレース選手権に参戦する「ドゥカティ・チーム・カガヤマ」の水野涼選手と加賀山就臣監督のトークショーなどが開催された。

メイン会場の特設エリアではスタントライダーである木下真輔さんによるスタントショーも開催。フルノーマルのモンスター+を手足のように操り会場を沸かせ、そこにラリーストである三橋淳さんが乱入する形で共演。三橋さんは、フルパニア&ノーマルタイヤのムルティストラーダV4Sで最大傾斜40度の斜面を登り降りしてその万能性をアピールした。

全長2.1kmのコースでは終日、新型車の試乗会を実施。導入されたばかりの『ハイパーモタード698モノ』も用意され、「このバイクに乗りにきました!」という方も多数いた。メディア向け試乗会よりも先行して一般の方に試乗の機会が与えられたため、ドゥカティジャパンのその心意気に感謝する声をたくさん聞くことができた。

そしてイベントのフィナーレ飾るパレードランには、新旧230台のドゥカティが集結。水野選手と加賀山監督、三橋さん、そしてマッツ社長の先導により行われ、PEC東京にドゥカティサウンドを響かせた。

PEC東京に並べられたアイコニックなドゥカティたち。左から2001年式のMH900e、1995年式の916SP、1972年型の450デスモ。《photo by 小川勤》 1974年式のラウンドケースの750SS。1972年にイモラ200マイルで1-2フィニッシュしたため、イモラレプリカとも呼ばれる伝説のドゥカティ。《photo by 小川勤》 左から2007年型のデスモセディチRR。1993年式のカジバ エレファント。デスモセディチRRはV4エンジンを搭載するMotoGPのレプリカマシン。カジバは1985年にドゥカティを買収。エレファントはドゥカティエンジンでパリダカに参戦したマシンだ。《photo by 小川勤》 1962から1974年までアメリカで販売していたスクランブラー。写真は450仕様。現行スクランブラーのベースになったモデルだ。《photo by 小川勤》 ディアベル1260ランボルギーニ。車体の63は、ランボルギーニ設立の年である1963年の意味。ちなみにドゥカティとランボルギーニのファクトリーは20kmしか離れていない。《photo by 小川勤》 ディアベル for ベントレーとベントレー ベンテイガも展示。限定500台の他にベントレーオーナーに向けたマリナーバージョンの50台(さらに特別なカスタムが可能)が生産された。《photo by 小川勤》 ストリートファイターV4ランボルギーニとランボルギーニ ウラカン。ストリートファイターV4ランボルギーニはウラカンSTO(スーパー・トロッフェオ・オモロガータ)と同色。《photo by 小川勤》 全日本ロード選手権にパニガーレV4Rで参戦する水野選手と加賀山監督によるトークショーも開催。ファクトリー仕様のパニガーレRがレース以外で一般お披露目されるのは初めてのこと。エンジン始動も行われた。《photo by 小川勤》 丸太のシーソーにも挑戦。「前輪が丸太にはまっているため、ハンドルでバランスが取れないので地味に危険……」と三橋さん。しかし難なくクリア。《photo by 小川勤》 二輪&四輪でパリダカを走った経験を持つ三橋淳さんは、急斜面をムルティストラーダV4Sで上り下り。ノーマルタイヤのままでその巨体を完璧にコントロール。《photo by 小川勤》 ノーマルのモンスター+がこんな風に動くなんて……。圧巻のスタントショーを披露してくれた木下真輔さん。《photo by 小川勤》 マッツ社長はイベント中も広い会場内を走りまわり、多くユーザーと交流。日本語が堪能で、ドゥカティカスタマーとも積極的にコミュニケーションをとっているため、マッツ社長のファンはたくさんいるのだ。《photo by 小川勤》 エントランスの2階はVIPエリアとして開放されていた《photo by 小川勤》 エントランスの2階はVIPエリアとして開放されていた《photo by 小川勤》