ヤマハ発動機は新基準となる125ccエンジンの原付を投入する。写真は現在ホンダでOEM生産する50cc原付《写真提供 ヤマハ発動機》

ヤマハ発動機の日高祥博社長(“高”ははしごだか)は12月22日、報道各社に向け本社でおこなった会見で、現在ホンダによって委託生産されている50ccエンジンの原付を廃止し、新基準に適応した125ccエンジンを搭載したヤマハ製の商品を日本に投入する予定だと語った。

2025年11月が適用期限となる排ガス規制に現在の50ccエンジンを搭載する原付が対応できないことから、100〜125ccを新たな原付の基準とすることを警察庁が検討してきたが、12月21日、警察庁の検討会が結論を開示。出力を4kW(5.4ps)以下に制御した100〜125ccのモデルを「新基準原付」とすることが承認された。

これを受け、日高社長は「ヤマハが開発した125ccのプラットフォームを利用した4kW以下の商品を日本に投入していく予定」とした。

ヤマハは2016年、販売の低迷から50ccクラスの原付(原付一種)の開発・生産から撤退を発表しており、現在販売している『ビーノ』や『ジョグ』についてはホンダのOEM生産によって販売を続けている。新基準が承認されたことで、ホンダ生産による50ccは廃止し、ヤマハ製による125ccを搭載した新基準の原付を日本市場に投入する。

グローバルではもともと、生活の足となるスクーターは125ccが主流となっており、ヤマハとしても台湾、ベトナム、インドネシア、フィリピン、タイ、インドといったアジアを中心に、数十機種以上の125ccラインアップを持っている。「その中から日本人の体型にあったシャシーを選んで、4kW以下で排ガス規制をクリアできるエンジンに仕立てる。どの車体を選ぶかということなので、それほど開発期間がかからないと思う」と日高社長は説明する。

車種数などについては「確定していない」というが、生産については「日本での生産は考えていない」とした。

「私みたいにユーザーサイドの気持ちが強い人は、ジョグとビーノを残せるのはどれなんだという視点も出てきていろいろな議論はあるが、いずれにしてもホンダさんも50ccはやめるという方向に当然なると思うので、自社で準備していくことにする」(日高社長)