ヤマハ発動機が浜松城北工業高校に産業用ロボット寄贈《写真提供 ヤマハ発動機》

ヤマハ発動機は、静岡県教育委員会、浜松市、静岡県立浜松城北工業高校と連携して推進する「マイスターハイスクール事業」の一環として、浜松城北工業高校に産業用ロボット1セットを寄贈したと発表した。

7月25日に浜松ロボティクス事業所で寄贈式が行われた。

今回の寄贈は、同校からの「より実践的なロボット教育環境の整備をしたい」という要望に応えたもの。電子機械科2年生の必修科目実習で、ヤマハ発動機の産業用ロボットに触れ、学び、操作する機会を提供する。スカラロボットを中心とした本物の産業用ロボットを使い、生徒たちは基本操作から軌道制御まで現場で求められるスキルを実習を通じて習得する。

「マイスターハイスクール事業」は文部科学省の「次世代地域産業人材育成刷新事業」に基づき、2022年度から3年間、浜松城北工業高校を指定校として実施されている。2025年4月からは自走化フェーズへ移行し、持続的な運営体制の構築が進められている。

ヤマハ発動機は産業界の管理機関として参画し、ロボティクス実習や課題研究を通じて人材育成を支援している。2023年には課題研究用の産業用ロボットを寄贈しており、今回が2回目の寄贈となる。

寄贈式には静岡県教育委員会教育監の小野田氏、浜松市産業部課長補佐の小倉氏、浜松城北工業高校学校長の寺田氏らが出席した。ヤマハ発動機からはロボティクス事業部営業統括部長の有本氏が代表として出席し、寄贈目録の贈呈と感謝状の授与を受けた。

マイスターハイスクール事業ではヤマハ発動機の社員が講師として同校に赴任し、授業支援を行うなど教育現場との連携が続いている。今回の寄贈に際しても社員が準備段階からプロジェクトに参加した。

また、「ロボティクス実習」の最終日成果報告会が開催され、生徒たちは5日間の学びの成果を発表した。実習ではSMT(表面実装機)、FA(自動化ロボット)の開発、品質保証、カスタマーサービス、製造業務などを座学と実習で体験し、ロボティクス分野への理解を深めた。

この事業を契機に同校卒業生がヤマハ発動機に多数入社し、現在ロボティクス事業部で活躍している。ヤマハ発動機ロボティクス事業部は今後も地域、教育機関、行政との連携を通じて次世代エンジニアの育成と地域産業の発展に貢献していく。

ヤマハ発動機が浜松城北工業高校に産業用ロボット寄贈《写真提供 ヤマハ発動機》