三菱自動車が中国で生産・販売していたエクリプスクロス(2018年)《写真提供 三菱自動車》

三菱自動車が、2024年3月期の中間決算発表を前に、懸案だった中国生産からの撤退と、仏自動車大手のルノーが設立する電気自動車(EV)の新会社「アンペア」に出資することを取締役会で決定し、正式に発表した。

きょうの各紙も「三菱自、中国生産撤退を発表、日本勢EV出遅れ鮮明に」、「三菱自、最大2億ユーロ出資、ルノーのEV新会社に」などと、総合面や経済面に大きく取り上げているが、中国での車両生産からの撤退については、EVを手がける地場メーカーが急拡大し、ガソリン車が中心の三菱自は販売が低迷。3月から停止している現地工場の生産再開を断念し、在庫がなくなれば販売もやめる方針という。

中国撤退に絡み243億円を特別損失として2024年3月期連結決算で計上。今後は同社にとって重要市場の東南アジアに経営資源を集中するとしている。

中国市場では三菱自以外の日本勢もEVで出遅れ、苦戦が鮮明だ。このうち、日経は「日本車メーカーが中国事業を見直し始めた」として「急速なEVシフトで割安な現地勢のシェアが高まり、強みである品質や燃費だけでは日本勢は勝ち残れなくなった。世界最大の自動車市場が変調し、グローバル戦略は修正を迫られる」とも伝えている。

一方で、三菱自動車は、仏ルノーが設立するEVの新会社「アンペア」に出資すると発表。出資額は最大で2億ユーロ(約320億円)。アンペアが開発・生産するEVを調達して自社ブランドで欧州での販売を計画しているという。

アンペアに対しては日産自動車も出資を決めており、新会社を通じた3社の協業により、各社の投資負担を軽減しながらEV事業の競争力を高める狙いがあるようだ。

2023年10月25日付

●三菱自動車、320億円出資、EV新会社に、中国の生産撤退を発表(読売・8面)

●日本GDP4位転落、円安影響、独に抜かれ、今年にもIMF予測 (読売・9面)

●化石燃料需要30年ピーク、再生エネやEV普及影響(読売・9面)

●けいざい+:トヨタのEV戦略、アピールは奏功戦いの土俵へ(朝日・6面)

●「モビリティショー」期待一身、東京モーターショー改称・刷新、車以外の移動手段も発信、あす開幕(朝日・6面)

●国費11兆円超に膨張、ガソリン・電気・ガス補助やめ時逸し (毎日・7面)

●全米自動車スト参加4万人超に、新たに1工場 (毎日・7面)

●豪縦断ソーラーカーレース、工学院大3000キロ走破へ、先頭集団はあすにもゴール(毎日・18面)

●ガソリン補助金延長4月末まで延長、政府調整 (産経・1面)

●トヨタ、岐阜工場除き生産再開 (産経・10面)

●ニデック中国偏重見直し、EVモーター、欧米・日本でも展開(産経・10面)

●消えた白線事故の一因、横断歩道の不備認める、神奈川県、被害者と和解(東京・1面)

●全国34工場を事業停止、ビッグモーターに行政処分(東京・3面)

●GM、業績見通し撤回、通期、労組スト長期化で(日経・3面)

●EV原材料の価格急落、リチウムなど、中国需要低迷(日経・11面)

●小型の水素トラック量産、いすゞ・トヨタ、20年代後半 (日経・17面)

●円安で増益効果2兆円、主要20社、150円前後ならトヨタは8900億円 (日経・18面)

東京モーターショー改めジャパンモビリティショー。10月25日はプレスデイ《写真撮影 高木啓》