BMW i7 プロテクション《photo by BMW》

BMWは8月23日、大型EVセダンの『i7』をベースにした防弾装甲車両『i7プロテクション』を、9月5日にドイツで開幕する「IAAモビリティ2023」で初公開すると発表した。i7は、『7シリーズ』新型のEV版だ。


◆新構造の「BMWプロテクション・コア」採用
i7プロテクションでは、ボディを支える構造全体にアーマースチールを使った「BMWプロテクション・コア」を初めて採用した。BMWプロテクション・コアは、耐久性に優れる熱間成形鋼合金で作られている。このBMWプロテクション・コアを基本に、防弾装甲仕様のドア、強化されたアンダーボディ、防弾ガラスを組み合わせた。

爆発物から乗員を最大限に保護するために設計された特殊な装甲が、ルーフとアンダーボディに施された。これにより、例えば爆薬を使ったドローン攻撃や、手榴弾の爆発時に飛び散る破片からも、乗員を守ることができる。

◆ランフラットタイヤはパンクしても80km/hで走行可能
i7の「xDrive60」グレードがベースになる。EVパワートレインには、第5世代の「BMW eDrive」テクノロジーを導入する。フロントアクスルとリアアクスルのそれぞれに、電気モーター、パワーエレクトロニクス、トランスミッションをコンパクトに一体設計した。

フロントのモーターが最大出力258hp、最大トルク37.2kgm、リアのモーターが最大出力313hp、最大トルク38.7kgmを引き出し、システム全体で544hpのパワーと、76kgmのトルクを獲得する。0〜100km/h加速9秒、最高速160km/h(リミッター作動)の性能を発揮する。

専用開発されたミシュラン製の20インチランフラットタイヤを装着する。このタイヤは大径で、空気量が多いため乗り心地が良いという。また、接地面積が広いため、トラクションと走行安定性に優れている、と自負する。ランフラットタイヤは、パンクした場合でも、最高速80km/hで走り続けることができる。

◆フレッシュエア供給システムや消火器をオプション設定
「BMWオペレーティングシステム8.5」をベースにした最新世代の「BMW iDrive」を搭載する。ドライバーは、「BMWカーブド・ディスプレイ」に表示される重要な情報を、適切なタイミングや場所に表示することができる。乗員保護に関連する特別な機能も、BMW iDriveで操作可能。コントロールディスプレイのタッチスクリーンを利用して、これらの機能を作動させ、コントロールすることができる。

標準装備のインターホンシステムにより、乗員はドアや窓を開けることなく、車外とコミュニケーションを取ることができる。ドアミラーに内蔵されたマイク、車外スピーカー、ヘッドライナーに埋め込まれたハンズフリーマイク、補助スピーカーが装備される。さらに、センターコンソールの収納トレイにロッドマイクをオプションで取り付けることで、窓を閉めた状態でも車外の人とのコミュニケーションが可能になる。

フレッシュエア供給システム、自動/手動放水機能付き消火器、フラッシュライト、無線トランシーバーなどのアイテムがオプション設定された。特注のオプションも用意されており、どのような目的にも対応することができるという。

◆セキュリティシステムは工場出荷時に組み込み
これらのセキュリティシステムは、工場出荷時に組み込まれる。後付けのソリューションとは異なり、最大限の安全性だけでなく、危険な状況下でもBMWに期待される高いハンドリングとダイナミックなレスポンスを可能にする。

BMW iDriveシステム内に専用のプロテクション機能が統合されているため、ドライバーはどのような状況でも、これらの機能を直感的、安全かつ快適に使用することができる、としている。

BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》 BMW i7 プロテクション《photo by BMW》