Jazzをちゃんと聴きたい…プジョー308 前編[インストール・レビュー]

Jazzが好きではじめたカーオーディオの高音質化。大阪府のカーオーディオクラブを信頼して作り上げたプジョー『308』にはベテランオーナーの吉田さんらしいシステム&インストールが施された。まずはラゲッジのインストールからその一端を見ていくこととしよう。

◆フロア下に大量のユニットを収めるインストール
徹底した高音質志向で取り付けはあくまでもシンプル
「Jazzをちゃんと聴きたい」というコンセプトでこれまでずっと愛車のオーディオを進化させてきた吉田さん。ベテランらしいシステム&ユニット選びでプジョー308のサウンドは狙い通りの仕上がりを見せているという。

前編の今回はラゲッジのインストール&ユニットチョイスについて紹介していくことにした。ホームオーディオも大好きだというオーナーだが、カーオーディオはまったく別物と考えてホームオーディオとは異なる独自のサウンドを構築しているという。「車内では音量を上げて楽しく聴く」のがモットーだという。

そんなシステムの中核に選んだのがモスコニのパワーアンプであるZERO4×2台。ラゲッジはフロア下に2台のパワーアンプをはじめとして、DSPやキャパシター、電源強化パーツなどをぎっしり詰め込むスタイル。フロア下にベースパネルを敷き詰め、ここに整然とレイアウトされるユニット群はベテランらしい徹底した音質重視のシンプル取り付けとした。

◆厚みのあるサウンドをコーディネートする
パワーアンプや電源強化系のアイテムを投入
“中低域の厚み”や“落ち着いたサウンド”、“重心を下げる音作り”などを目標にしたという吉田さん。システムデザインから調整までをそんなコンセプトで仕上げていった。パワーアンプには先にも紹介した通りモスコニのZERO4を2台投入。大型のパワーアンプなのでラゲッジ床下の広いスペースを専有している。加えてプロセッサーにはヘリックスのDSPウルトラをチョイス。きめ細やかな調整でサウンドを仕上げるオーナーならではの充実のシステムとなった。

さらに電源系の強化もこのクルマの見どころ。BAlabのキャパシターであるBE-101を導入したり、KOJOのアイテムを投入することでも電源まわりの整備に力を入れる。電磁波対策も合わせて実施することでノイズを徹底して減らす作戦も実施している。これは普段の音質はもちろんコンテストまでを見据えているからでもある。システムやユニット選び、さらにはDSPによる調整だけではこなせない部分をフォローするのがこれらの電源関連の機器だという。

細かなパーツ類が随所に用いられているラゲッジ。パワーアンプやプロセッサーなどの間を埋めるように巧みにレイアウトされ、配線も必要最小限に抑えているのもベテランらしい計画的なインストールと言えるだろう。

◆サブウーファーのエンクロージャーの
ラゲッジフロアへの設置にも工夫が満載
ラゲッジのフロア下には先に紹介したユニット群が取り付けられているが普段は上からパネルが施されているためその存在を感じることができない。フロアパネルの上に設置されているのがサブウーファーだ。カロッツェリアのハイエンドサブウーファーであるTS-W1000RSをチョイスし低音の質の高さもオーナーのお気に入りとなっている。

さらにフロアへのウーファーボックスの設置でもかなりの工夫が凝らされているのがラゲッジを見ればわかる。フロアをよく見ると何ピースにも分かれたパネルを敷き詰め、ラゲッジの右前方に置いたウーファーボックスをサポートする形状になっているのが見て取れる。しかも各パネルは脱着可能でフロア下のユニット群のメンテナンス性もしっかり確保している。

ベテランオーナーらしい、好みのサウンドに仕上げるためのユニットやシステムデザインを取り入れたプジョー308。フロア下をフル活用したラゲッジインストールで大量のユニットを収めたスタイルもサウンドを優先させた取り付け。次回の後編ではこだわりの3ウェイをインストールしたコクピットまわりを見ていくこととしよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

プジョー308のコクピットで聴くJazzの心地良さを追求してオーディオの高音質化を進めてきた。その現在進行形が今のシステムだ。 ラゲッジのフロアボードを開けると床下スペースにはぎっしりとユニットが詰め込まれている。 モスコニのパワーアンプ×2台を中心にプロセッサーやキャパシター、電源強化パーツなどが隙間無くレイアウトされる。 パワーアンプに選んだのはモスコニのZERO4。すべてのスピーカーを2台の4チャンネルアンプでドライブしている。 システム全体をコントロールしているのはヘリックスのプロセッサーであるDSP ULTRA。優れた調整機能&高音質で定評のユニットだ。 パワーアンプの電源強化で注目なのがキャパシターの装備。BAlabのBE-101をチョイスしてパワーアンプの能力を引き出す。 KOJOの電源フィルタ+仮想アースであるNva-03をはじめとした電源関連、フィルター関連のパーツも数多く接続する。 ラゲッジフロアのパネルを閉じた上に、さらにベースパネルを組み合わせてウーファーボックスを設置するスペースを確保する構造。 サブウーファーにはカロッツェリアの定番ユニットであるTS-W1000RSをチョイス。 サブウーファーを脱着したフロアパネルはまったく純正と同様のスタイルになる。この下に大量のユニットがあるとは思えない。