JALのCEOに就任した稲盛氏(2010年2月)《Photo by Koichi Kamoshida/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

戦後の日本を代表する起業家で、松下幸之助氏や本田宗一郎氏らと並ぶカリスマ経営者の稲盛和夫さんが老衰のため、90歳で人生の幕を閉じた。

脱サラ後27歳で京都セラミック(現・京セラ)を創業し、電気通信事業の自由化に伴い、前身のDDIを設立後、トヨタ系のIDO(日本移動通信)に合併を呼びかけ、第二電電(現・KDDI)を立ち上げたほか、晩年は経営破綻した日本航空の再建にも尽力した。

きょうの各紙にも1面、経済面のほか、社会面などにも「評伝」とともに大きく取り上げている。例えば、「業種超え成長導く、稲盛理念3社に今も」、「『利他の心』経営の礎、日航再建『日本のため』」(読売)や「逆境に咲いた真心、『フィロソフィ』『アメーバ経営』枠超えて」(朝日)、さらに「異業種挑戦恐れず、KDDIも育て」(毎日)、「心を重視経営の神様」(産経)、「時流を読むベンチャーの神」(東京)のほか、日経は「平成のカリスマ経営者、京セラ・KDDI創業、劣等感バネ、共感呼ぶ」などと、その功績について語り尽くせないほどに伝えている。

亡くなったのは8月24日、告別式は近親者で行ったそうだが、後日、お別れの会を開くという。畑違いの政界とは比較できないが、卓越した経営手腕で世のため人のために多大な功績を残したこの名誉会長こそ、“国葬”レベルで哀悼の意をささげても反対する国民は少ないのではないかとも思われる。

カリスマ経営者の訃報はともかく、日産自動車が、小型車『マーチ』の国内販売を終了するという。きょうの読売が、1982年10月に誕生したマーチが「40年の歴史に幕を下ろす」と報じている。それによると、現行モデルはタイ製だが、8月末に日本向けの生産を終えるという。ただ、海外の一部では『マイクラ』としてマーチの販売を続けるほか、欧州では、マイクラの後継車に位置づけるEVを仏ルノーと共同開発し、発売する計画もあるそうで、日産はハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)といった電動車に投資を集中するとも伝えている。

2022年8月31日付

●稲盛和夫さん死去、90歳京セラ創業、日航再建(読売・1面)

●ハウステンボス1000億円、HISが売却、香港投資会社100%取得(読売・8面)

●日産マーチ40年で幕、国内販売終了、電動車に投資集中(読売・8面)

●エンジン認証トヨタと連携、日野要請、小型トラック用(読売・8面)

●お台場、大観覧車最後の思い出、きょう営業終了(読売・25面)

●自動車世界販売7月は7.8%減少、国内大手、12カ月連続減(朝日・6面)

●名古屋バス横転炎上事故、死亡の乗客は空港ビル社長(産経・24面)

●税制改正要望きょう期限、自動車・炭素税も焦点、積み残しの課題多く(日経・5面)

●全個体電池に430億円、ホンダ、EVの開発競争激化(日経・16面)

日産マーチ日本仕様現行《写真提供 日産自動車》 東京・お台場の観覧車《写真提供 写真AC》