アウディ e-tronスポーツバック《写真提供 アウディジャパン》

「○○の一つ覚え」というわけでもないだろうが、相も変わらず「EVシフト」加速というタイトルの付いた記事が際立つ。

きょうの紙面にも、米フォードモーターが北米を中心に従業員3000人を削減するなどと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたのを受けて、読売などが「フォード3000人削減、北米などEV投資加速へ」と取り上げている。背景には「電気自動車(EV)への投資を加速させるため」としている。

記事によると、削減の対象は主に米国やカナダ、インドで、エンジン車の生産部門が中心という。フォードモーターのジム・ファーリー最高経営責任者(CEO)は「2026年までに年間30億ドル(約4100億円)のコストを削減し、EVへの投資を拡大する方針を掲げている」という。

ただ、米ブルームバーグ通信が、7月には「フォードが最大8000人の雇用削減を計画している」と報じており、今後、さらなる削減が実施される可能性もあるとも伝えている。

また、日産自動車も、英国北部のサンダーランド工場で手掛けるエンジン向け基幹部品「シリンダーヘッド」の生産を2024年に終えると、きょうの日経が取り上げている。日産は同工場を中心に10億ポンド(約1600億円)を投じ、EVの製造から車載電池の生産まで手掛ける計画を掲げており、構造改革でEVなど電動車シフトを加速させるそうだ。

さらに、興味深いのは、独フォルクスワーゲン(VW)の日本法人フォルクスワーゲングループジャパンが、「アウディ」ブランドの13モデルを最大49万円値上げすると発表。一方で、EVの『e-tron』は9月に40万円値下げするという。同クラスの競合車との価格競争力を考えての値下げのようだが、価格面でもEVシフトを鮮明に打ち出したとも見受けられる。もっとも、フォードや日産の英国工場のニュースは海外での話題。日産と三菱自動車が新発売したEVの軽自動車の受注・販売が好調のようだが、紙面ではほとんど見かけないのは妙な感じもする。

2022年8月24日付

●露侵略半年、ウクライナ「消耗戦」強まる(読売・1面)

●トヨタ7年ぶり新型「シエンタ」(読売・8面)

●フォード3000人削減、北米などEV投資加速へ、米紙報道(読売・9面)

●入国5万人に緩和調整、来月にも、ツアー添乗員なしでも容認(朝日・3面)

●ANAとJAL、初の共同運航へ、九州(朝日・9面)

●森氏との面会記録押収、高橋元理事「AOKI側が依頼」五輪汚職で特捜部(産経・1面)

●社説、バス横転炎上、不測の事態防ぐために(東京・5面)

●社説、信頼失った日野自の不正続出(日経・2面)

●アウディ49万円値上げ、13車種、最大で、EVは40万円値下げ(日経・14面)

●エンジン部品生産終了、日産英工場、24年、EVシフト加速(日経・14面)

●自動運転車に複数回線、ホンダなど、通信障害に備え(日経・15面)

●消える「日野の2トン」市場に穴、国内シェア4割、出荷停止、半導体不足、中国都市封鎖、トラック不足に拍車(日経・15面)

●トヨタ株主数、6位浮上、株式分割で購入しやすく(日経・16面)

●銘柄診断、いすゞ、2か月ぶり高値、日野自の代替需要期待(日経・18面)

●スズキ本社、14人CO中毒か、食堂厨房内(日経・38面)

●現場にブレーキ痕なし、名古屋バス事故、減速せず衝突か(日経・39面)

日産サンダーランド工場《(Photo by Christopher Furlong/Getty Images News/ゲッティイメージズ》 日産サクラ《写真撮影 高木啓》 三菱eKクロスEV《写真撮影 雪岡直樹》 トヨタ・シエンタ新型《写真撮影 吉田瑶子》 新たに出荷停止となった日野デュトロ《写真提供 日野自動車》