VW ポロ《写真撮影 宮崎壮人》

今回のワンポイント確認は、「マイナーチェンジしたポロは、走り始めの加速のだるさは改善されたのか?」である。

コンパクトカー好きにとって、ポロは外せない存在である。甘さをなくしたしゅっとしたスタイルは、しょう油顔好きの心に刺さりまくりだ。しかも今回のマイナーチェンジでは、夜の表情に色気を加えられてきた。左右のヘッドライトをつなぐように、前面に細いライトがぐるりと這わせてあり、それがものすごく(ここ、強調部分)きれいなのだ。

そして、ポロがマイナーチェンジされたと聞いて、真っ先に思い浮かんだのが、2018年にフルモデルチェンジされた6代目ポロの、発進加速の物足りなさである。小気味よく走るところがポロのよさなのに、このだるい加速はいったい? Sモードで走ると期待通りの走りができるのに、なぜふつうのDモードではこんなにゆるいのか。これはエコモードじゃないのかと不満たらたらだっただけに、とにもかくにも、確認せねばなのである。

試乗開始してアクセルを踏むと、おっ? 反応がいいではないか。期待がふくらむが、いや、街中だけで判断してはいけない。そこで、コーナーリング、坂道、高速道路へと向かい走ってみると、やはり加速がよくなっている。正直なところ、100%満足かと言われればイエスとは言いにくい。私的には80%ではある。それでも、1リットルというエンジン排気量を考えれば、もうもう十分な改善だといえる。気分がよくなってハンドルの脇についているパドルでシフトダウンしていくと、ガシャン、ガシャコン! と、操作するたびに生々しい機械音がしてくる。楽しさは高まるばかりだ。

カタログに記載されている数値を改めて確認すると、エンジンはマイナーチェンジ前と同じ1リットルであり、馬力も最大トルクも変わらない。しかし最大トルクは、エンジン回転数が2000回転から出ていたのに対し、1600回転からとなっている。

(編集部注:マイナーチェンジしたポロのエンジンは、ミラーサイクル化やバリアブルターボジオメトリー機構の搭載、ガソリンエンジンPMフィルターの採用により高効率化と低燃費化を図っている)

エンジン回転数ってなんですかと先日、女性誌の記者さんに尋ねられたので簡単に言うと、アクセルペダルを踏み込むと上がる、エンジンの動きのことである(エンジン音が大きくなるので、感覚的にわかるかと思う)。ゆえに、これまで、アクセルペダルをぐっと踏み込んで2000回転まで上げないと力強く加速しなかったものが、マイナーチェンジ後は、ちょっと右足に力を加えて1600回転に達したら、すいっと加速するようになったということだ。

つまりとても使いやすい。特に、市街地走行がメインで、クルマの速度を上げたり下げたりする機会が多い人は、楽に気持ちよく走れると思う。

結論。マイナーチェンジしたポロは、スタート直後から気持ちよく走れるクルマに大変身していた。ハンドル操作に応じてすいすい向きを変えてくれるところも軽快で、超お勧めである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

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