ステランティス(Stellantis)は5月21日、旧車向けの純正スペアパーツのラインアップを欧州で拡大すると発表した。
◆オリジナルの金型と素材を使う純正スペアパーツ
ステランティス(当時はFCA:フィアット・クライスラー・オートモビルズ)は2019年後半、欧州で「ヘリテージパーツ」カタログを発行した。アルファロメオ、フィアット、ランチア、アバルトの各ブランドの歴史的なクラシックカーの保護を専門とするステランティスのヘリテージ部門は2019年、新プロジェクトとして、旧車向け純正スペアパーツシリーズのヘリテージパーツを立ち上げた。ヘリテージ部門は、純正用品ブランドの「モパー」とも連携しており、グループの旧車のための純正スペアパーツの供給や顧客サポートを行っている。
2019年後半に開始されたこのプロジェクトではまず、ランチア『デルタHFインテグラーレ』と『デルタHFインテグラーレエボルツィオーネ』のフロントバンパーとリアバンパーから始まり、アルファロメオ『147GTA』のフロントバンパーとリアバンパーや、ヴィンテージカーの手入れに配慮した実用的なカーケアセットを発売した。
ヘリテージパーツシリーズの特長は、グループ内で維持してきたオリジナルの金型と素材を使用できることにある。また、品質やスペアパーツの装着性を保証しており、車両が現在の型式認定基準に完全に適合することも確認している。
◆WRCで6連覇を成し遂げたラリーマシンのベースとなったランチアデルタHFインテグラーレ
ヘリテージパーツは、市場に投入された最初の製品の成功に続いて今回、ランチアデルタHFインテグラーレエボルツィオーネ用の7種類のボディパネルを新設定し、ヘリテージパーツシリーズのラインナップを拡大している。
ランチアデルタHFインテグラーレは1987〜1992年、WRC(世界ラリー選手権)で6連覇を成し遂げた栄光のラリーマシンのベースとなった車両だ。ハイパワーのターボエンジンに4WDを組み合わせ、当時のWRCで黄金期を築いた。「エボルツィオーネ」は、デルタHFインテグラーレの進化版で、さらなる高性能が追求されていた。
デルタHFインテグラーレエボルツィオーネ向けの7種類のボディパネルには、ボンネット、フェンダー、ドアなどが含まれている。ボディパネルは、「リバースエンジニアリング」と呼ばれるプロセスから作られた金型を使用して製造される。ステランティスが、ヘリテージヒストリックカーコレクションの1台として保存している実車のデルタHFインテグラーレエボルツィオーネをスキャンすることにより、ボディパネルの精度を高めた。ボディパネルに使用されている素材は低炭素鋼。オリジナルのコンポーネントと同じ合金で、亜鉛メッキを追加して改良されている。
◆アルファロメオとフィアットの旧車向けに31種類のパーツも追加
これらのスペアパーツに加えて、31種類のオリジナルコンポーネントが、ヘリテージパーツカタログに追加された。数量に限りがあり、在庫状況にもよるが、アルファロメオ『GTV』/『スパイダー』、アルファロメオ『GT』、アルファロメオ『147』、アルファロメオ『156』、フィアット『バルケッタ』、『クーペフィアット』を対象としている。
具体的には、バンパー、フェンダー、ドア、テールゲート、ボンネットを含めて、21種類のボディパーツと10種類の燃料噴射制御ユニットが用意されている。これらのスペアパーツはすべて、比較的製造年が新しいこれらの旧車の価値を維持するために、重要になるという。
なお、ヘリテージパーツの各製品は、ステランティスの認定サービスネットワークやモパーストアを通じて、注文できる、としている。
ランチアの名車『デルタHFインテグラーレ』、純正パーツを拡大…アルファロメオとフィアットも
2021年05月25日(火) 11時30分
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