アキュラのタイプS(2001〜2008年モデル)《photo by Acura》

ホンダの海外向け高級車ブランドのアキュラ(Acura)は4月21日、高性能グレード「タイプS」の歴史を振り返る映像、『Type S Origin Story』を公開した。

タイプSは過去には、初代『NSX』に設定されたことがある。アキュラが2010年以前にタイプSを用意していたのは、2008年モデルの『TL』が最後だった。

アキュラは5月下旬に米国で発売する予定の新型『TLX』のタイプSから、タイプSをおよそ13年ぶりに復活させる。アキュラは2016年、ブランドのスポーツセダンとして、初代TLXを発表した。2世代目となる新型はスタイルとパフォーマンスを引き上げ、アキュラの歴史において、最も速く、最も扱いやすく、最もバランスの取れたスポーツセダンを目指して開発された。

◆新開発の3.0リットルV6ターボは最大出力355hp

新型TLXには、2.0リットル直列4気筒ガソリン「VTEC」ターボを搭載する。最大出力は272hpを引き出す。一方、高性能グレードのタイプ Sには、新開発3.0リットルV型6気筒ガソリンターボを積む。両エンジンは、自社開発された応答性の高い10速ATを組み合わせる。

新開発の3.0リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンには、数十年にわたるパフォーマンスエンジン開発の経験とモータースポーツのノウハウを導入した。最大出力が355hp、最大トルクは49kgmを引き出す。49kgmの最大トルクは、タイプS史上、最強という。

ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンションとタイプS専用のSport +ドライビングモードも、パフォーマンスとドライバーの楽しさを高めるために特別に設計された。タイプSとしては初めて、アキュラの「スーパーハンドリングオールホイールドライブ(SH-AWD)」を介して、パワーが四輪に配分される。この4WDには、トルクベクタリング機能が付く。強力なブレンボ製ブレーキも装備した。アキュラの歴史の中で、最も扱いやすいタイプSだという。

◆NSXにインスパイアされた軽量ホイール

6種類のボディカラーと、タイプS専用の新色のタイガーアイパールペイントが選択できる。内装は、タイプS専用のオーキッドレザーインテリアを含む3種類のインテリアオプションが用意された。

フロントには、空気の取り入れ量を増やすために、オープンサーフェスのダイヤモンドペンタゴングリルを装着する。大口径のエグゾーストパイプも専用だ。タイヤは255サイズのピレリ「P-Zero」。『NSX』にインスパイアされた軽量ホイールを用意している。

タイプSのインテリアには、ヘッドレストにタイプSのロゴをエンボス加工した「Ultrasuede」16ウェイパワーシートを装備した。「ELSSTUDIO3D」の17スピーカープレミアムオーディオシステムは、「TLX AdvancePackage」に含まれている。

◆アキュラSUV初のタイプSが新型MDX

この新型TLXのタイプSに続く復活のタイプS第2弾が、今夏米国市場で発売される予定の新型『MDX』のタイプSだ。MDXは、アキュラの最上位SUV。アキュラによると、初代MDXのデビューから20年以上の間に、累計100万台以上が販売されており、MDXが米国で最も売れた3列シートのラグジュアリーSUVになるという。MDXはアキュラのベストセラー車としての地位を確保しており、アキュラブランドの米国販売の約3分の1を占めている。

4世代目となる新型MDXに設定されるのが、高性能モデルのタイプSだ。アキュラのSUVにタイプSが用意されるのは、新型MDXが初めてとなる。

新型MDXのタイプSは、オープンダイヤモンドメッシュグリルやクワッドエキゾーストアウトレットを専用装備する。トリムは標準のクロームから、グロスブラックに変更され、高性能モデルらしいエクステリアとした。

足元には、グリップを最大化する275サイズのタイヤに、21インチのアルミホイールを組み合わせる。大容量ブレーキには、4ピストンのブレンボ製フロントキャリパーが採用されている。

インテリアには、タイプS専用の内装色とトリムを採用する。カーブドステッチのアクセントが付く9モードのマッサージフロントシートをオプションで用意した。新開発の「ELS STUDIO 3D」プレミアムオーディオシステムは、出力1000W以上、22のディスクリートチャンネル、25のスピーカー仕様となり、アキュラ史上、最も先進的で強力なオーディオシステムになるという。

◆第4世代のSH-AWD

新型MDXタイプSのパワートレインには、アキュラが新開発した3.0リットルV型6気筒ガソリンターボエンジンが搭載される。最大出力は355hp、最大トルクは48.9kgmを発生する。

新型MDXの他のグレードには、自然吸気の3.5リットルV型6気筒ガソリン「i VTEC」エンジンが搭載される。最大出力は290hp、最大トルクは36.9kgmを引き出す。タイプSでは、排気量を500cc縮小しながらも、ターボで加給することにより、パワーは65hp、トルクは12kgmプラスされている。

駆動方式は、最新の「SH(スーパーハンドリング)AWD」だ。第4世代のSH-AWDは、第3世代のシステムよりも、リアのトルク容量が40%増加し、前後のトルク伝達が30%高速化されている。最新のSH-AWDシステムは、通常の走行状態で最大70%のエンジントルクをリアアクスルに配分する。そのリアアクスルでは、トルクの最大100%を左または右の後輪に継続的に配分できる。これにより、後輪左右のトルク伝達のヨーモーメント効果が増幅され、さらにシャープで正確なターンインを実現するとともに、コーナリング時の安定性が向上しているという。

◆ホンダコレクションホールに収蔵されている初代ホンダNSXの姿も

アキュラは、タイプSの歴史を振り返る映像、『Type S Origin Story』を公開した。北米初のタイプSとなった2001〜2003年モデルのアキュラ『CL』のタイプSをはじめ、2002〜2006年モデルのアキュラ『RSX』(日本名:4代目ホンダ『インテグラ』に相当)のタイプS、初代NSXのタイプS(日本のホンダコレクションホールに収蔵されている初代ホンダNSXのタイプS)などが登場する。

そして、これらのタイプSの伝統を受け継ぐ形で、最新のタイプSの新型TLXと新型MDXを紹介している。

アキュラのタイプS(2001〜2008年モデル)《photo by Acura》 アキュラのタイプS(2001〜2008年モデル)《photo by Acura》 初代ホンダ NSX のタイプS(1997年)《photo by Honda》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ TLX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ MDX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ MDX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ MDX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ MDX 新型のタイプS《photo by Acura》 アキュラ MDX 新型のタイプS《photo by Acura》