Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》

およそ150台ものEVと非EV(ガソリン車含む)が集結するイベントが15日、富士山麓、あさぎりフードパークで開催された。第1回目となる「Japan EV Meetup」は、EVの愉しさを広く知ってもらおうと開催されたもので、EVオーナーだけでなくガソリン車やHV、PHEV車オーナーも参加できるのが特徴だ。

集まったEVは、テスラ『S』、『X』、『3』、日産『リーフ』(初代から現行まで)、『e-NV200』、三菱『i-MiEV』、ジャガー『i-PACE』、アウディ『e-tronスポーツバック』、メルセデスベンツ『EQC』、フォルクスワーゲン『e-Golf』、プジョー『e-208』などだ。

主催者のHAMMER氏は、リーフ、テスラ(モデルX)とEVを乗り継いでいるEVオーナー。昨年よりテスラオーナー向けの「TESLA OWNER'S MEET」を何度も開催していた。しかし、オーナーだけの集まりではなく、もっとオープンなイベントでEVを周知させたいとして、「Japan EV Meetup」の開催を思い立ったという。開会の挨拶では「EVオーナーをもっと増やすには、メーカーのがんばりを待っているだけでなく、オーナー側もできることは積極的に取り組みたい」と熱い想いを語る。

今回、ガソリン車など非EVのオーナーの参加を促すため、EV以外での参加費は無料とした(EVは1台2500円)。また、リーフやテスラなど一部の車両は試乗も可能だ。会場周辺のアップダウンのある山道はモータートルクを試すのにはうってつけだ。なお、テスラは本来、個別のオーナーイベントにはコミットしないが、テスラジャパンの働きかけで、協賛ではなく「参加」という形でイベントを盛り上げていた。

イベントの目玉は、参加車両のほとんどを使って広場に書く「WE LOVE EV」の車文字と、ドローンを使った空撮だ。LOVEの部分は、赤い車両を使ったハートマークを描く。

天気がよければ富士山と車文字が一望できるパノラマとなるが、当日あいにく午後から雲がでてしまい富士山とのツーショットとはならなかったが、広場に車が停まっているようにしか見えない100台ものEVが作るWE LOVE EVの文字は壮観だ。

テスラオーナーのイベントでは、モデルXを使った「dance」が行われることがある。モデルXには、音楽に合わせてライトやファルコンウィング(ドア)を動かすdanceモードがある。複数並んだモデルXが一斉にdanceモードを起動する。Japan EV Meetupでも行われた。

レスポンス編集部は、アウディ・ジャパンの協力でe-tronスポーツバックの広報車を借りることができたので、車文字にも参加させていただいた。空撮写真では、Vの1ストローク目の起点位置の青い車両だ。

日産以外の協賛企業、参加企業は合計で18社。テスラ向けのアフターパーツメーカー、ウォールコネクタ(家庭用普通充電器)、V2H製品、ソーラーパネルカーポート、EV向けアプリなど多岐にわたる。

来年発売予定という小型EV(ELEMO)の展示もあった。このEVは、各種デリバリーや農作業、自治体向けコミューター・防災特装車を想定した小型トラックであり、全長約3.9m、全幅1.4m前後、全高約1.9mと縦に細長い。最大積載量が500kgと一般的な軽トラックより多く荷物が積める。ナンバーは登録車ナンバーとなるため、軽自動車でも超小型モビリティでもない。最高速度は80km/hほどだが高速道路も通行可能だ。価格も200万円ほどでなかなか使い勝手がよさそうだ。特筆したいのは、コネクテッド機能搭載で運行管理にも対応する。ほぼ特注となるが、荷台の架装は平台からカーゴ、ダンプ、キッチンカーなどいかようにも対応する。

EVのアフターマーケットというと、充電器やソーラーパネル、V2H、電力プランのような生活・防災関連のイメージがあるが、テスラには、ブレーキパッドやリアサスのキャンバー調整アーム、サスペンションキットなどもある。モデルSやモデルXは、もともとのリアのキャンバー設定とエアサスのアクティブ制御・モータートルクが相まって、リアタイヤが偏摩耗しやすい。キャンバー調整アームはそれを調整するパーツだ。他にも、ホイールやモール類のラッピングや後付カバーなどでオリジナリティを出すオーナーも多い。

フランク(テスラのフロントフードの下は物入れになっている)をアプリやリモコンでリモートで開閉するDIYキットなどもある。フランクの遠隔開閉を宅配ボックスのように使うYouTube動画が話題になったが、このキットを使ったもののようだ。

Japan EV Meetupは、オーナーイベントだが、協賛企業は必ずしもコンシューマ(消費者)向けとは限らない。前述の小型EVは個人というより法人ニーズが高そうだし、ラッピングやコーティング製品は、施工業者向けで量販店などでは購入できない。集合住宅や商業施設向けに充電器と管理アプリのソリューションを展開する企業も出典していた。会場では、オーナーどうしの情報交換や趣味談義だけでなく、商談なのか名刺交換や仕事の話をしている風景も見られた。

車文字の空撮が終わったあと、主催者のHAMMER氏から、ある発表があった。それは、Japan EV Meetupに日産自動車の協賛が決まったことのツイートをきっかけに、テスラの社外取締役にもこのイベントの情報が入り、当日に応援メッセージが届いたという。イベントとしては決して大きくないが、メーカーを越えた交流があり、B2C、B2Bともに着実だがEVの市場は広がっている。

車両協力:アウディ・ジャパン《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup写真提供:Japan EV Meetup 開会の挨拶をする主催者:HAMMER氏《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 ジゴワッツがe-208を持ち込んでいた《写真撮影 中尾真二》 日産ブースではリーフ試乗会とミニカーのおみやげ《写真撮影 中尾真二》 i-PACEのフランク《写真撮影 中尾真二》 EQCはフランクではなくカバー《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 リーフのニスモとオーテックバージョン《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 荷台の架装は普通のトラックと同じでカスタマイズ可能《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup《写真撮影 中尾真二》 モデル3はキーがカード式。またEVオーナーは充電カードが必需品。折り紙式の本皮カードホルダー《写真撮影 中尾真二》 オート開閉フランクのキット《写真撮影 中尾真二》 オートフランクキットの取り付け実演《写真撮影 中尾真二》 参加・協賛企業は18社《写真撮影 中尾真二》 Japan EV Meetup写真提供:Japan EV Meetup 運営スタッフと富士山:@model3yokohama、@hiro_o4ll、shinichi_fj、sono106、@bonoda、@kawazakae、mat2ate7、@atana720、@hammernocar (主催)写真提供:Japan EV Meetup