BMW 7シリーズ 改良新型《photo by BMW》

BMWは7月から、欧州向けの『7シリーズ』(BMW 7 Series)改良新型に、新世代の直列6気筒クリーンディーゼルエンジンを搭載すると発表した。

BMWの新世代の直列6気筒クリーンディーゼルエンジンは、より多くのパワーを獲得しながら、CO2排出量を抑えることを目指して開発された。改良されたBMWのツインパワーターボテクノロジーなどを導入している。

◆48Vのマイルドハイブリッドを組み込む

新世代の直列6気筒ディーゼルエンジンは、効率的なアルミ製パワーユニットだ。排気量は3.0リットルで、48Vのマイルドハイブリッドシステムを組み込む。電圧48Vのスタータージェネレーターと第2のバッテリーを搭載することで、ブレーキエネルギーの回生量と電力量を大幅に増加させた。この電気エネルギーは、電装品に電力を供給するだけでなく、エンジンの負荷を軽減させたり、パワーを高めたりするためにも使用される。

このスタータージェネレーターは、瞬時に11hpの電気ブースト効果を生み出し、追い抜きや追い越しがさらにダイナミックに行えるようになる。また、このパワフルなスタータージェネレーターは、定速走行時にエンジンを補助することで効率を高め、オート・スタート・ストップ時やコースティング機能により、走行中の快適性を向上させるという。

また、新ディーゼルエンジンは、最適化されたターボチャージャーシステムに加えて、ピエゾインジェクターを備えた最新のコモンレール直噴システムにより、パフォーマンスと燃費の両方を追求している。インジェクターは1サイクルあたり最大10回の燃料噴射を、最大圧2700バールで行う。

◆730dは最大出力286hpで最大トルク66.3kgm

新世代の直列6気筒ディーゼルエンジンには、2種類のパワースペックが用意される。「730d」、「730d xDrive」、「730Ld」、「730Ld xDrive」には、最大出力が従来比で21hp向上し、286hpとなった直6ターボディーゼルを積む。新エンジンには、BMWの直列6気筒ディーゼルエンジンとして初めて、マルチステージターボチャージャーと、低圧用の可変タービンジオメトリーが採用された。これにより、最大トルクは、63.2kgmから66.3kgmへ、3.1kgm向上した。最大トルクは1500〜2500rpmの低回転域で引き出される。

このトルクの強化により、730dと730d xDriveの場合、0〜100 km/h加速はそれぞれ0.2秒短縮され、5.9秒と5.6秒で駆け抜ける。また730dの場合、欧州複合モード燃費は21.3km/リットル、CO2排出量は123 g/kmの環境性能を備えている。

◆740dは最大出力340hpで最大トルク71.4kgm

もうひとつのスペックは、「740d xDrive」と「740Ld xDrive」に搭載される。マルチステージターボチャージャーシステムは、可変タービンジオメトリー付きの高圧ターボと低圧ターボで構成された。その結果、最大出力340hp/4400rpm、最大トルク71.4kgm/1750〜2250rpmを獲得する。740d xDriveでは、強化されたパワーにより、0〜100 km/加速は0.2秒短縮し、5.0秒で駆け抜ける。また、740d xDriveの場合、欧州複合モード燃費は19.2km/リットル、CO2排出量は136g/kmを実現している。

2つの新しいエンジンは、ディーゼル酸化触媒コンバーター、「DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)」、SCRコーティングなどの排気ガス処理技術を採用する。窒素酸化物(NOX)排出量を削減するために、エンジンのSCRシステムの出口に、2つ目のSCR触媒コンバーターが組み込まれた。その結果、新しい直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載したモデルは、最新の排出ガス基準「ユーロ6d」に適合している。

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