VW ゴルフ・ヴァリアント eTSI Style《写真撮影 島崎七生人》

試乗車は「eTSI Style」。カタログによれば例のイルミネーション付きエンブレムは標準装備のようだが、明るい陽射しの中の試乗につき、迂闊にも目視しそびれた。照明が入るロゴというとかつてのMacのノートを思い出すが、クルマでは“日本初のエンブレム”だそう。

eTSI Styleは、これまでの3気筒の999ccエンジンに代わる4気筒の1497cc直噴ターボガソリンエンジンのうち、150ps(110kW)/25.5kgm(250Nm)のハイスペック版を搭載。14kW(19ps)/56Nm(5.7kgm)でエンジンブーストの役割も果たす48Vベルト駆動式スタータージェネレーターとリチウムイオンバッテリー、ACT(アクティブシリンダーマネージメント=気筒休止)を始めとした機能も盛り込まれた、さり気なく意欲的なパワートレインでもある。

実際に走らせてみると、サラッとごくスムースに加・減速してくれるのを実感、巡航時の気筒休止時も、まったくそれを意識させず、ドライバビリティが損なわれることもない。

『ゴルフヴァリアント』はハッチバックに対して50mm長く、車重はハッチバックの同等グレードに対して+60kg、同エンジン・スペック違いのActiveシリーズに対しては+30kgというもので、前/後=ストラット/4リンク(前後ともスタビライザー付き)のサスペンション形式は共通。

だがホイールベースと車重の差分の挙動と乗り味の違いは極端ではないが感じるところ(試乗車のタイヤは17インチ)。ワゴンボディのヴァリアントは唐突な動きが少ない穏やかな走りっぷりと、スムースで余裕もあるパワートレインの性能に支えられた走りが味わえる。

611〜1642リットルとタップリとした容量のラゲッジスペースは、今回の試乗会では空気しか運ばなかったが、使い勝手はよさそう。左右のトリム部分が凹凸がほどんどないスッキリとした形状であるところがよく、床面も低くフラットな上、ハッチバックと同様に床面の高さがワンタッチで変えられるのも便利だ。

それとこの8.5世代では、シートヒーター(前席左右)とステアリングヒーターが全グレードに標準装備されるのもありがたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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