スズキ ジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》

スズキのインドネシア現地法人「PTスズキ・インドモービル・セールス(SIS)」は、2月15日からインドネシアのジャカルタで開催中の「インドネシア国際モーターショー(IIMS2024)」に『ジムニー5ドア』を出展。同日より発売し、受注を開始したと発表した。

インドネシアで発売されるジムニー5ドアのラインアップは、基本的にワングレード。トランスミッションは5MTとATが用意され、それぞれボディカラーのツートーン仕様も設定された。価格は5MTとATが4億6200万ルピア(日本円換算:約443万円)、ATが4億7500万ルピア(同:約455万円)。ツートーン仕様はそれぞれ300万ルピア(同:約2万8000円)アップする。

この日、スズキのプレスカンファレンスが開催される午前中、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領の訪問を受けていた。実はジムニー3ドアがジャカルタで開催されたもう一つのモーターショー「ガイキンド・モーターショー」で公開された際、会場を訪れたジョコ大統領からは「初めて乗ったクルマがジムニーだった」と明かされたことがある。それだけにこの日の訪問も興味津々だったようだ。

会場には多くのジムニー5ドアが置かれ、まさにジムニー5ドア一色といった印象。屋外のイベントスペースではオフローダーらしいデモ走行会場も設けられており、SISにとってジムニー5ドアの登場は大きな期待を持って迎えられたのは間違いない。

◆インドネシアでも存在感を放ち続けたジムニー
プレスカンファレンスが始まると、会場全体を揺るがすようなリズムカルな音楽が会場を覆い尽くし、大勢のメディア関係者の前でジムニー5ドアは披露された。

登壇したPT SIS の4Wセールス&マーケティング ディレクターをつとめる松下良平氏は、「ジムニーのアイデンティティには歴史的な側面があり、インドネシアの人々に深い印象を与えている」と述べ、その中で5ドアの投入は「インドネシアのファンの熱意と需要に応え、SISが伝説的なSUVファミリーの最新モデルとしてジムニー5ドアをインドネシア市場に投入できることを誇りに思う」と述べた。

インドネシアにおいてジムニーは、1970年代から投入され、その姿は時代を経ても色褪せることのないオーセンティックなデザインとして、半世紀以上にわたって強いアイデンティティを維持し続けてきた。松下氏はこれについて、「オフロード愛好家に満足を提供しながら、困難な地形を克服するタフな実績が、お客様がジムニーに期待を寄せる主な理由。 ジムニーはユーザーエクスペリエンスを最大化するために開発を続けて来た」と説明した。

そのジムニー 5ドアのボディサイズは、全長3965mmと、3ドアに比べて315mmボディサイズを前後に延長し、ホイールベースも2590mmと40mm延長されたことで乗員と荷物のスペースにゆとりを生み出した。これがプロフェッショナルなオフロードカーとしての性能を維持しながら、リラックスしたドライビングフィールを実現するのは間違いない。

実際、後部座席に座ってみたが、レッグスペースも十分に確保されており、ヘッドクリアランスも十分。3ドアモデルにあった閉塞感はほとんど感じなかった。また、リアドアの追加により後部席での乗降性が容易になったのはもちろん、211リットルのトランク容量によりアウトドアシーンにも十分役立つスペースの確保につながったのは確かだ。

◆上級モデルらしいデザイン、装備
全長の延長はデザイン面でもプラスを生み出した。明らかにボディ全体に伸びやかさが生まれ、より安定感のあるデザインとなっている。また、5ドア車のフロントグリルに施されたクロームメッキは、上級モデルらしい雰囲気を醸し出す。

安全面では、後退時の安全性を確保するためにリアビューカメラに加え、5ドアでは4スポット・パーキングセンサーを新たに装備。万一のドライバーと同乗者を保護するために 6つのエアバッグが装備されている。その一方で豪州仕様に装備されている自動ブレーキ機構はインドネシア仕様には装備されなかった。

インテリアでは、5ドア専用として、3ドアでは6.8インチだったディスプレイオーディオを9インチにまでグレードアップ。Android AutoやApple CarPlayに対応したことで、スマートフォンを接続して大画面を活かした多彩な機能が楽しめるようになる。

◆3ドアとの価格差が小さい理由
カンファレンスの後で開催されたQ&Aでは、インド製であることへの質問が飛んだが、これについてスズキは「グローバルで品質を均一化しており、インド製であっても品質については自信を持っている」と回答。3ドアとの価格差が思ったほどなかったことについては「導入時のキャンペーン価格と考えてもらってもいい。しばらく経つと価格アップされる可能性はある」とした。

なお、ジムニー5ドアの発売は豪州、フィリピンに続く4か国目。現在、3ドアは日本で生産されているが、5ドアはインドで生産。他の地域と同様、インドネシアでは3ドアは日本から、5ドアは全量をインドで生産したものを輸入する。

インドネシアで発売されたジムニー5ドア。中央はPT SIS の 4W セールス&マーケティング ディレクター松下良平氏《写真撮影 会田肇》 スズキ ジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 ジョコ大統領と並ぶPT SISプレジデントの天野実氏(右)《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 ジムニー5ドアを解説したPT SIS の 4W セールス&マーケティング ディレクターをつとめる松下良平氏《写真撮影 会田肇》 スズキ ジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア。ステアリング部《写真撮影 会田肇》 大きめの男性が座っても十分な広さがある《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア。カーゴスペースも拡大された《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア。リアシートにはリクライニング機構も装備された《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア。リアドアもパワーウインドウが装備される《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドアのディスプレイオーディは9インチ《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドアのボディカラー《写真撮影 会田肇》 インドネシアで発売されたジムニー5ドア《写真撮影 会田肇》