トヨタ ハリアーPHEV《写真撮影 中野英幸》

今や乗用車として“フツーのクルマ”になったSUV。だからこそセダンのように気負わずに乗れる、自分にちょうどいいクルマを選びたい……と思うユーザーは多いはずだ。そういう人と『ハリアーPHEV』との相性は相当によさそうだ、と思った。

「アクティブなイメージの『RAV4』とは違い、乗り心地重視にした。PHEVでは低重心になるので、操縦安定性は損なわずに減衰力を下げてクルマをゆっくり動かす。車重に合わせて2.5リットルエンジンとし、“とにかく電気の力で思いきり走らせたい”という思いからE-Four(4WD)のみの設定とした」とは、開発を担当したトヨタ自動車・山崎博之さんの話。

ハリアー、RAV4それぞれのキャラクター、棲み分けはこれまでどおりで、当然ながらPHEV同士の立ち位置の違いも標準車同様という訳だ。

◆ハイブリッドとは違うフロントモーターの力強さ
試乗車はPHEVのZグレード。PHEVはわかりやすくこの1グレードのみの設定で、駆動方式も後輪をモーター駆動としたE-Four(4WD)のみの設定。

従来のハイブリッドと較べると、搭載エンジンは同型の2.5リットル(A25A-FXS型)でスペックは130kW/219Nm(ハイブリッド車は131kW/221Nm)、これにモーターの組み合わせになるが、ハイブリッドのE-Fourに対してリヤモーター(4MN型・40kW/121Nm)は同じだが、フロントモーターはPHEVのほうがかなり性能が高い(5NM型=134kW/270Nm。ハイブリッドは3NM型=88kW/202Nm)のがポイントだ。

実際の走りは、動力性能のゆとりをベースに、力強くスムースな点が印象的だ。発進から相当なところまでモーターで走れることも、スムースな印象を強くしている。エンジンの始動も気づかないほど静かだ。ハイブリッド車に対して車重は+200kgの1950kgあり、それは走らせているとクルマの動きがおっとりとしているところに感じられるが、その分、乗り心地、ステアリングの操舵感にトガったところがないのがいい。

◆上級車を乗り継いだオーナーも馴染める上質感
インパネまわりの視認性、操作性もよく、何よりさり気ない上質感が確保されていて、さまざまな上級車を乗り継いできたオーナーでもすんなりと馴染めるはず。快適でスマートな日常生活が過ごせそう……そう思わせてくれる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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