助手席側センターピラーレスなので、助手席ドアとスライドドアを空ければ大きな開放感も得られる。《写真撮影 関口敬文》

ホンダアクセスは、「アウトドア」をテーマにホンダ車と純正アクセサリーを使い、様々なアウトドアのシチュエーションを設定してカーライフの楽しさを体験できるプレス向け取材会を開催した。

モデルとなるクルマは『ZR-V』と『ステップ ワゴン』。そして『N-VAN』も車中泊モデルが用意されていた。N-VANについては、1年のうち300日以上を車中泊で過ごすというruiさんが普段乗る愛車も特別に展示されていた。

◆既製品アイテムでは満足できなくなりDIYまでたどり着いた架装部分
ruiさん本人に、N-VANをカスタマイズするうえでのこだわりなどを聞いた。そもそもruiさんがN-VANを選んだ理由として、荷物がたくさん入るクルマとして選んだだけで、車中泊をすることなど考えていなかったとのこと。ところが、N-VANはなにも手を加えなくとも、後席、助手席を倒せばフルフラットシートになる。ということは「寝られるな…」と思い、そこから一度車中泊をしてみようと考えたそうで、動機としてはかなりふわっとした理由からスタートしている。

最初は100円ショップのアイテムや、ホームセンターで手に入るアイテムで車内を改造していた。その状態で2年間過ごしてみたが、理想を追い求めていくと、DIYで作ったほうがよいという結論にたどり着いた。それからは、車内にどう設置するかなどのレイアウトを決め、架装を制作する場所を確保し、1ヵ月くらいで作り上げたとのことだった。ただそれまでに木を切ってなにかを作るといった、DIYの経験はなかったそうだ。

◆こだわり続けた車内空間はテーブルに秘密あり!?
DIYで作り上げられた架装を見ると、車内の半分を占めていることに気付く。車内ですることはパソコンで仕事をすることと、寝ることしかない。つまりそのふたつの事が快適にできれば、十分だということ。そのために机は大きめに作っている。一般的には机を最低限の物が置ければいいだろうと、小さく作ってしまいがちだが、それが間違いだとruiさんは指摘する。たとえばパソコンで作業中に資料を広げようとしたら、スペースがない場合、同時作業はできない。ご飯を食べながら、パソコンを見るといったことも厳しい。使い勝手を考えると、広く作っておくことは作業効率を上げる大きなアドバンテージとなる。そして残りの半分のスペースは寝るために確保するといった形が理想だと教えてくれた。

寝るスペースについても、普段使いの座椅子がベッドマットにもなり、クッションはブランケットにもなるタイプなので、無駄のない備品を用意しているのもポイントだ。今後のカスタムについて聞いたところ、現在は床にあぐらをかいて作業するタイプだが、椅子に座って作業できるような空間も作ってみたいとのことだった。現在の状態はN-VANの低床さを生かすべく、助手席とリアのスライドドアを開けて、座れる状態を作りたかったとのこと。

◆サイズ感もピッタリ! 純正アクセサリーで車中泊仕様に改造も可能
ruiさんのようにDIYで車中泊モデルを作るのはかなりハードルが高い。そこでホンダアクセスが取り扱う、純正オプションを利用するのはいかがだろうか? マルチボード(ラゲッジ用、リア用)を購入すれば、フラットな空間が作れる。あとは、マットなどを敷けば寝るスペースは確保できる。

これだけでも十分車中泊ができるが、さらに快適にするには、ルーフインナーサイドパイプとルーフインナーラックを組み合わせて収納スペースを増やしたり、プラバシーシェードや、ウインドウメッシュでプライバシーの配慮をしたりと、徐々にアイテムを増やすことができるのも純正オプションのいいところだ。

軽バンだと侮るなかれ。積載量は軽貨物車最大の350kg。ダンボールだとおおよそ70個が積み込めるサイズ。《写真撮影 関口敬文》 スクエアパッケージなので、隅々まで荷物を積み込めるのも特徴。《写真撮影 関口敬文》 車体の半分をテーブルを含めた家具で占める。手前は座るスペースと寝るスペースを兼用。《写真撮影 関口敬文》 ほぼ半分が家具のスペース。ルーフ近くにも荷物を積み込めるようになっている。《写真撮影 関口敬文》 座椅子の背もたれを立てた状態。《写真撮影 関口敬文》 テーブルはリアゲートを開けると延長できる仕様に。《写真撮影 関口敬文》 ルーフも架装されており、ライトが設置され荷物の収納エリアになっている。《写真撮影 関口敬文》 架装はしているが、穴開け加工などは一切行っていないとのこと。《写真撮影 関口敬文》 小物類を吊り下げたり、空間をじつにうまく使っている。《写真撮影 関口敬文》 空気の流れを作るファンも設置。《写真撮影 関口敬文》 大きな四角い箱は冷蔵庫とのこと。《写真撮影 関口敬文》 ルーフラックも装備。《写真撮影 関口敬文》 ソーラーパネルが設置され、天気のよい日は発電も可能になっていた。《写真撮影 関口敬文》 ruiさんが実演してくれているが、腰掛けることができるのは、低床でフラットになるN-VANならでは。《写真撮影 関口敬文》 こちらはメーカーオプションで車中泊仕様になっているN-VAN。《写真撮影 関口敬文》 テールゲートカーテンで、ちょっとしたタープ代わりに。《写真撮影 関口敬文》 サイドをオープンしているが、N-VANのロゴがある後ろ側も巻き上げることができる。《写真撮影 関口敬文》 マルチボード(ラゲッジ用、リア用)を使って、中段にフラットなスペースを作り、シート下の隙間はあえて収納スペースとして使っている。《写真撮影 関口敬文》 マルチボードの上にマットレスをひき、寝袋を設置すれば、大人ふたりが十分寝られる。《写真撮影 関口敬文》 そこそこ大きいリュックなども収納できてしまうシート下スペース。《写真撮影 関口敬文》 ルーフインナーラックがあれば、毛布やブランケットを収納したり、キャンプ道具をしまうこともできる。右端の穴あきの黒いボードは有孔ボード。市販のフックを使えば、道具をぶら下げたりできるようになる。《写真撮影 関口敬文》 プライバシーシェードで外からの視線をシャットアウト。吸盤で取り付けられる。《写真撮影 関口敬文》 フロントウインドーのプライバシーシェードの両サイドの黒い部分は、伸ばすと助手席の窓を隠せる仕様だ。《写真撮影 関口敬文》 ウインドウメッシュがあれば、窓を開けても害虫の侵入を防げる。《写真撮影 関口敬文》 簡易テーブルを設置すれば、食事もここで出来てしまう。《写真撮影 関口敬文》 助手席ドアの内側には、抜いたヘッドレストをマウント出来るようになっている。《写真撮影 関口敬文》 ルーフキャリアを付けると全高が約14cm上がる。許容荷重は15kg。《写真撮影 関口敬文》