ホンダ ステップワゴン 新型、家族のための工夫…親と子の経験・時間《写真撮影 関口敬文》

本田技研工業(ホンダ)は5月27日に新型『ステップワゴン』を発売する。新型ステップワゴンを使い、『余白で遊ぶ、自在に遊ぶ』をコンセプトにした、『よゆうでじゆうな家族のあそび場』をHondaウエルカムプラザ青山(東京都港区)に5月26日にオープンした。オープンを記念して、タレント・鈴木あきえさんをゲストに招き、トークセッションが開催された。

◆20年の歴史がある6代目ステップワゴン
最初に本田技研工業広報部・野々村宗氏が登壇し、ステップワゴンについて説明した。

ステップワゴンは20年以上かけて育ててきた極めて大事な基幹モデル。今回のモデルで6代目となりファミリーミニバンのど真ん中としてお客様に選ばれ続けるクルマとして開発された。『#素敵な暮らし』をグランドコンセプトにし、『安心』、『自由』を表現したスタイリングが特徴で、シンプルでだれにでも似合うような自由なフォルムを表現している。また国内のホンダ車史上最大の室内空間を確保し、どの席でも快適に過ごせる居住性を目指したとのこと。運転席からの視界は、水平・直線基調のデザインが用いられ、車両感覚がつかみやすい。また後部席からの視界も水平なベルトラインが採用され、乗り物酔いしにくい視界となっている。

◆子供とぎゅっと一緒にいられる時期は短い。だからこそいろんな経験を一緒にして欲しい。
トークセッションでは、2児の母として数々のテレビ、ラジオ番組などで活躍する鈴木あきえさんと、本田技術研究所でステップワゴンのパッケージデザインを担当した市川聡子氏が登壇。『子と親のあそび』をテーマにトークがスタート。

鈴木さんは子供と過ごす時間について、「妊娠から出産で命が育まれる奇跡を目の当たりにして、本当に尊い時間だと思う。たくさん笑わせてもらったり癒しだったり、こんなに素敵な経験をさせてもらってありがとうと思うと同時に、今までの自分にはなかった、こんなイライラするのかっていう感情も芽生えた。子育ては精神力、体力勝負だなと思うので、自分自身の修行の場でもあると思った」と語った。

市川氏は、「子供と一緒に遊ぶごっこ遊びが苦手で、すぐに眠くなってしまっていた。そこで、虫取りや磯遊びなど、ひたすら自然と対話するように外で遊ぶことが多かった」とのこと。

また、『子供にとっての遊びとは何か』といったテーマについて鈴木さんは、「親から見ると、なんでこんないたずらの天才なんだって思うことも多い。出演している子育ての番組で、専門家の先生に言われたことが印象的だった。親から見たらただのいたずらに見えるが、その時子供の脳の中では発明家と同じことが起きていると聞き、子供にとっては遊びであり、勉強であり、実験である。いろんなことを吸収している時間なんだと考え改めるようにした」と述べた。

市川氏は、子供にとっての遊びは、夢中になることの大事さについて持論を述べた。「以前子供と磯遊びに行った際、私たちは磯の生き物をこうやって捕まえてといったことを子供に教えがちだが、子供は殻の無いヤドカリを見つけて、そのヤドカリに合う殻を一日中探して、最後にヤドカリが殻に入ってくれたことをずっと思い出として残してくれている。このように夢中になれることっていうのが子供にとってはすごく大事で、成長のエンジンになっていくと思う」と語った。

そして『親子の時間を楽しむために工夫していること』について聞かれ鈴木さんは、「子供がイヤイヤ期に突入すると、朝の準備も大変になる。そんなとき、歯磨きや着替え、ご飯を食べるといった朝の準備をカードに書いて、おうちの中に散らばらせる。そのカードを探してきてもらって、ゲームのように準備をしてもらうといったことを試している。親として子どもと向き合うと、どうしてこうしてくれないのって気持ちばかりになってしまうが、自分で子供の目線に合わせればいいんだなと思って実践している」

市川氏は、「子供が土日になると、出かけたい出かけたいとせがんでくることが多かったので、夕御飯を準備してから行くとか、洗濯をしてから出かけるとか、遊びに行く前に準備をすることを心がけていた。子供の遊びは帰る寸前とか、もう最後の時間というときに限ってすごく熱中してしまう。そうなるとだいたい遊び時間が延長してしまうので、出来る事は早めにやっておいて後に余白を残すってことを実践していた。それで私も気持ちが楽になった」と経験談を述べた。

そして最後に「子供とぎゅっと一緒にいられる時期は短い。だからこそいろんな経験を一緒にして欲しいという思いはすごくある。だけど今家族はとても忙しくなっていて、共働きも増えている。そういう日本の家族がもっと気軽にもっと楽しく移動できるようにという想いを、開発メンバーが込めているので、明日は笑顔の家族が増えることを願っている」と締めくくった。

◆酔いを低減する室内デザインには注目
市川氏に新型ステップワゴンのポイントについて聞いてみたところ、シートアレンジについては注目してほしいとのことだった。2列目の自由度が高いため、運転席側に寄せて使うこともできれば、最大限後ろに下げて2列目をゆったり使う事もできる。家族に合わせた使いかたができるのは注目。

また初代ステップワゴンのような、四角いイメージのボディデザインについても語った。一見、原点回帰のように思われるかもしれないが、最近の家族の使い方として、たくさん荷物を積めそうだとか、車内を広く使いたいとか、四角いデザインのほうがよいのではないかというところから、このような形になっている。

おもしろい特徴として、酔いを低減する室内デザインにも注目してほしいという。これは開発のかなり初期段階から、ホンダ社内で酔いの研究をしている社員がいたので、開発チームにジョインしてもらい、いろいろなアドバイスを受けながらデザインに取り込んだそうだ。市川氏は実際にテストを受けたことがあり、この水平なベルトラインを使用した車内と使用していない車内では、視覚による酔いやすさが全然違うとのこと。

本田技研工業株式会社広報部・野々村宗氏。《写真撮影 関口敬文》 6代目は初代のエクステリアデザインと似たように直線的デザインになった。《写真撮影 関口敬文》 ワンアクションレバーで2列目シートが前後左右に動く。《写真撮影 関口敬文》 多彩なシートアレンジが特徴。《写真撮影 関口敬文》 運転席からの視界が広く、初心者でも運転しやすい。《写真撮影 関口敬文》 視覚によって酔いやすさはかなり違うとのこと。水平なベルトラインデザインを用いたことで、酔いはかなり低減できる。《写真撮影 関口敬文》 2児の母でもあるタレントの鈴木あきえさんが登場。《写真撮影 関口敬文》 パッケージデザインを担当した株式会社本田技術研究所の市川聡子氏。《写真撮影 関口敬文》 子育て中のおふたりだからこそ共感出来る話も飛び出していた。《写真撮影 関口敬文》 自分で色を塗ったステップワゴンがテレビゲーム画面内に登場し、2台でレースを行うといったゲームも体験。《写真撮影 関口敬文》 こちらは鈴木さんのデザインしたステップワゴン。虹色がテーマになっている。《写真撮影 関口敬文》 こちらは市川氏の娘さんが塗られたとのこと。お花がテーマになっている。《写真撮影 関口敬文》 レース結果は市川氏のステップワゴンが一位となった。《写真撮影 関口敬文》 磁石ブロック『マグ・フォーマー』で自由に車をデザインできるスペース。《写真撮影 関口敬文》 磁石でくっつくブロックで、未来のステップワゴンをデザインする。《写真撮影 関口敬文》 荷台にブロックを積むゲーム。《写真撮影 関口敬文》 紙に描かれたステップワゴンに色塗りすると、そのデザインが画面に取り込まれ、レースができるといったデジタルの遊びコーナーも。《写真撮影 関口敬文》 塗り絵の要領で好きな色を塗るだけで立体化は自動的に行われる。《写真撮影 関口敬文》 塗ったデザインがそのままテレビ画面内に現れるのでお子様は大喜び。《写真撮影 関口敬文》 木で作られたクルマで好きに遊べる。『乗り物×育む』で『乗育』と名付けられていた。《写真撮影 関口敬文》 タイヤ、ホイール、フレーム、ハンドルなど一部は金属やゴムや樹脂が使用されているが、ほとんどが木でできているのでぬくもりも感じられる。《写真撮影 関口敬文》 実車では危険性もあるため子供はなかなか座らせて貰えない運転席もあり、本物のハンドルを思う存分操作出来る。《写真撮影 関口敬文》 リアトランク付近には黒板もある。《写真撮影 関口敬文》 ご時世的に、ガソリンの給油機と充電用のチャージユニットのふたつが用意されていた。《写真撮影 関口敬文》 充電口とガソリン給油口のふたつを装備している。《写真撮影 関口敬文》 側面はハシゴが備え付けられていたり、クライミングウォール仕様になっている。《写真撮影 関口敬文》 リアゲート部分はすべり台も設置。実車でもあると楽しいかも?《写真撮影 関口敬文》 子供大好きな鈴木あきえさんらしく、イベント終了後にも関わらず、乗り込んでいた一般のお客様の子供たちと楽しそうに遊んでいた。《写真撮影 関口敬文》 ステップワゴンスパーダの2列目シートアレンジの様子。前に寄せたシートと後ろに下げたシートで、これだけ位置が異なる。《写真撮影 関口敬文》 ステップ ワゴン エアー《写真撮影 関口敬文》 ステップ ワゴン スパーダ プレミアムライン《写真撮影 関口敬文》 ステップ ワゴン スパーダ《写真撮影 関口敬文》