BMW K1600GTL(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》

新型コロナウイルスの影響により、3年ぶりの開催となった「東京モーターサイクルショー」。待ちわびたファンが多かったことに加え、コロナ禍によってバイク人口が増えたという効果によるものか、非常に熱気溢れるイベントとなっていた。

バイクの未来を描く電動バイク『CE04』
昨年、日本国内では過去最高となる販売台数を更新したBMWモトラッドのブースでは、同社のラインナップの多くを展示。そのなかでもっとも注目を浴びたのが、電動バイク『CE04』である。ここ10年でラインナップを非常にワイドに構築してきたBMWモトラッドであるが、電動バイクにも積極的に参入。2017年に本格的EVバイク、『C-evolution(Cエボリューション)』を発売し、ライバルメーカーを一歩リードしてきた。

ちなみにC-evolutionは東京マラソンや箱根駅伝の先導車としても使われ、そのEVバイクの存在価値を世に広く知らしめたマシンとも言える。同社のスクーター、『C650』と比較してみてもパワフルに感じられるほどの動力性能は、単純にエコだからと言い切れない魅力に溢れていた。その次世代マシンとなるCE04はさらなるパフォーマンス向上が図られている。

動力性能は最高出力42馬力で、0−50km/hは2.6秒。最高速度は120km/hを誇る。4つのライディングモードを備え、電動の特徴でもある瞬時にパワーの立ち上がるキャラクターを好みに選べるだけでなく、トラクションコントロール等の制御も高い次元で備える。コーナーリングABSのほか、アダプティブヘッドライト、バックギア。その他グリップ&シートヒーター、スマートキー等、充実の装備も魅力だ。搭載されるリチウムバッテリーは4輪『iX』シリーズに使われるものを改良・コンパクト化して流用。200Vの12A仕様で4時間。200Vの32A仕様で1時間20分で0からのフル充電が完了。気になる航続距離は約130kmとなっている。

バッテリーを車両の低い位置に搭載することで低重心化を図り、走行安定性を高めることに加え、ジェット型ヘルメットを収納出来るスペースを確保することに成功。同社の得意とする後付の収納ケースもラインナップ予定となっている。そのうえで、車両は250cc扱いとなり、車検不要で中型免許でも乗れるという大きなセールスポイントも。デザインも近未来的となり、モーターサイクルに興味がなかった人に向けてもアピール度が高まっている。

4輪BMW譲りの並列6気筒エンジンを搭載する『K1600シリーズ』
続いては、2022年モデルで刷新された『K1600』シリーズ。基本的に同じエンジンとフレームを用いながら、キャラクターとともに装備の異なる4モデルをラインナップ。今回はラグジュアリーかつスポーティな「K1600GTL」とバガースタイルとなる「K1600B」が展示された。

2輪のBMWモトラッドでは、水平対向2気筒となる、通称ボクサーエンジンが同社のアイデンティティとなっているが、4輪のBMWでは6気筒が有名。シルキーシックスと称される滑らかな吹け上がりが特徴だ。K1600はその並列6気筒エンジンを搭載する唯一の量産モーターサイクルとなっている。そのエンジンは新たにユーロ5に適合。排気系だけでなく、エンジンマッピング等も細かい調整が行われている。

その結果、最大出力は変わらないものの、発生回転数が下がったことで、より低中速の強化が図られているほか、最大トルクも僅かながら向上している。トラクションコントロール等の制御系もアップデートされ、走行性能とともに安全性、快適性も向上している。

外見上ではフロント周りがデザイン変更され、よりシャープな顔つきに。コーナーの先々を照らすアダプティブヘッドライトをもっとも早く採用した同モデルであるが、より細かい制御にプラスして、LEDが採用されアップデートが施されている。

ラインナップ拡充中の人気モデル『R18シリーズ』も展示
また、2020年よりラインナップに加わった『R18』シリーズは全4モデルすべてを展示。伝統的ボクサーエンジンをゼロから新型エンジンとして開発。1801ccを誇る空冷ボクサーをクルーザースタイルのボディに搭載するR18は、BMWモトラッドの新たな挑戦でもある。先行して発売されたシンプルなスタイリングのR18に加え、よりロングツーリング等での快適性を盛り込んだクラシック。そして昨年の夏に、さらなる旅の快適性を高めて登場したバガースタイルとなる「R18B」と、最もラグジュアリーな「R18 TRANSCONTINENTAL」を展示。

この2モデルには、装備の充実に伴った重量増に対応した剛性を高めたフレームを採用。ライダーおよびパッセンジャー、積載物による重さを感知して車高と減衰特性を最適化するオート・レべリング・サスペンションのほか、前走車との車間距離を安全に保ちながらのオートクルーズ機能を備えるアクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)。マーシャル製サウンドシステムを搭載するなど、同社らしい充実の装備でより旅をエンジョイしやすくなっている。

もちろん、同社での主力モデルとなる『R1250GSアドベンチャー』や4輪の最高峰、Mのイニシャルを冠したホモロゲモデル『M1000RR』。中型免許で乗れる『G310R&GS』等、多彩な展示車で来場者を喜ばせていた。

BMW CE 04(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW CE 04(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW CE 04(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW CE 04(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW CE 04(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMWモトラッドブース(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMWモトラッドブース(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMWモトラッドブース(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW R18クラシック(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW K1600GTL(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW K1600B(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW K1600B(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW K1600B(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW K1600GTL(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》 BMW R18クラシック(東京モーターサイクルショー2022)《写真撮影 雪岡直樹》