レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》

「何か趣が違う……」と暫く考えて、スピンドルグリルが垂直に立ち、フレームが明るいクロームではなくダークメタリックだからだとわかった。キャラクター線を多用せず、大きなカタマリで全体を見せるスタイリングもシンプルに力強さが感じられていい。

インテリアで注目したのは、何といっても「e-ラッチ」と呼ぶ、電気仕掛けのドア開閉機構だ。室内から開ける場合、ドアグリップを握ったまま親指に触れるスイッチを押せばスッとドアロックが外れる。万一何かの理由で電気が落ちても、同じスイッチを通常のレバー同様に指先で引けば開けられる。外側からドアを開ける場合も、レバー裏のスイッチを軽く押せばよい。後席ドアにも同じ機構が備わるが、こういう上品な所作はいかにもレクサスにふさわしい。

インテリアは前後席ともに居心地のよさは十分なもの。「version L」であればシートヒーターも前後席に備わる。ひとつだけ、ドライバー席からの眺めでいうと、センターディスプレイが14インチの場合、正面のメーターに対して高くせり上がり横方向も張り出したハウジング形状になるが、これだけは9インチのほうがスッキリしていると思う。

乗り味はともかくスムースで、レクサスらしいものとなっている。20インチのランフラットタイヤであることの心配はまったく無用で、空気圧設定が前後とも230kPaということと、「NX450h+(E-Four)」の車重は2010kg〜ということで、車重を使いながらしっとりとした乗り心地を作っている。ホイールはハブボルト締結式とし、剛性を高めている。

レクサス初のPHEVは、18.1kWの大容量バッテリーを活かし、プラグインレンジで88kmの充電電力使用時走行距離(EV走行)を可能にしている。走らせた印象は、相当な部分でEV走行が可能で、非常にスムースなドライバビリティが味わえるということ。後輪をモーター駆動させる仕組みを利して、走行状況を問わず安定した走りを約束してくれるはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》 レクサス NX450h+ version L《写真撮影 島崎七生人》