BMW i4 M50 と iX《photo by BMW》

BMWは2月22日、新型EVの『i4 M50』と『iX』に、新世代の電動4WDシステムを搭載した、と発表した。

◆通常の走行状況ではリアホイールのみに駆動力を配分
新世代の電動4WDシステムでは、フロントアクスルとリアアクスルにそれぞれ1基の電気モーターを搭載し、道路条件や気象条件に応じて、駆動トルクを路面に伝達する。同時に、前後アクスルのホイール回転数の変化に反応する。必要に応じて、トラクションコントロールの制御が介入し始める前に、駆動トルクを調整し、トラクションと走行安定性を向上させる。

後輪駆動から最大限のトラクションを可能にする4輪駆動まで、無段階の駆動力可変システムは、ニーズに応じて駆動力を伝達する。効率と航続を最大限に確保するために、通常の走行状況ではリアホイールのみに駆動力を配分する。横方向の加速度がさらに高まったり、ホイールのスリップが発生したりすると、モーターはフロントホイールに駆動力をかけ、運動性能と走行安定性の最適化を図る。

前後2つのモーターによって駆動トルクを制御するこの方式は、車軸間にトランスファーケースを配置した方式に比べて速く、高い制御品質で反応できるという。また、緻密な制御によって、各タイヤのポテンシャルを引き出すことが可能に。それと同時に、過酷な走行状況においても、機械的な接続を持つ方式にみられる熱負荷による効率低下が生じない。また、各アクスルに1基のモーターを配置して駆動力を制御することで、高いエネルギー回生能力を発揮する、と自負する。

◆DSCの制御介入が従来システムの最大10倍の速さに
BMWが開発し、今回初めてエレクトリックAWDに搭載されるタイヤスリップ・コントロール・システムの「ARB」の高速かつ正確な制御により、滑りやすい路面でも常に最適なトラクションと直進安定性を実現しているという。始動と同時に高トルクが立ち上がる電気モーターの出力特性に合わせて、特別に開発されたこのシステムでは、モーターマネジメントに駆動輪のスリップコントロールを統合した。これにより、「ダイナミック・スタビリティ・コントロール(DSC)」用コントロール・ユニットまでの長い信号経路が不要となり、制御の際の介入が従来システムの最大10倍の速さで、精密に行われるようになっている。

ブレーキエネルギー回生システムを装備しており、回生ブレーキの強弱を切り替えることができる。交通状況に応じて、ワンペダル感覚の走行や惰性走行を可能にしている。

コンバインド・チャージング・ユニットにより、最大出力200kWのDC急速充電ステーションが利用できる。およそ10分で140kmの走行に必要なバッテリー容量を充電可能。ユーザーは、公共充電ステーションとIONITYハイパワー充電ステーションを利用することもできる。

◆i4 M50には最大出力544hpのツインモーター搭載
i4 M50には、前後アクスルにモーターを搭載する。このツインモーターは、最大出力544hp、最大トルク81kgmを引き出す。544hpのパワーは、同等クラスのガソリン車、新型『M4クーペ』の「コンペティション」の直噴3.0リットル直列6気筒ガソリンツインターボエンジンが生み出す最大出力510hpを、30hp以上上回るものだ。最大トルク81kgmは、新型『M4クーペコンペティション』の最大トルク66.3kgmを、およそ15kgm上回る。

さらに、i4 M50は、スポーツブースト機能を備え、0〜100km/h加速は3.9秒で駆け抜ける。これは、新型M4クーペコンペティションに肩を並べる。また、1回の充電での航続は、WLTPサイクルで最大510kmを確保している。

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