首都高(イメージ)《写真提供 写真AC》

「中止」の世論をよそに7月23日に開幕した東京オリンピックに伴う首都圏の大規模な交通規制を受け、この4連休(22〜25日)の首都高速道路の交通量(速報値)が3年前の同じ時期と比べて2〜3割ほど減少したそうだ。

国土交通省が集計したもので、最も減少幅が大きかった日曜日の25日には34.4%も減少。また、開会式があった23日には30.9%減。22日は21.2%、24日には28.6%それぞれ減ったという。

それも道理、首都高では午前6時〜午後10時にマイカーなどの乗用車の料金を1000円上乗せする「ロードプライシング」が実施されている。例えば、東名高速東京ICの用賀から首都高3号線を利用して渋谷付近の富ヶ谷までETCで走った場合、いつもは430円だが、五輪期間中は1430円にハネ上がる。首都高と並行する一般道の国道246号線、迂回路となる世田谷通りや環状8号線の交通量が異常に増加して慢性的に大渋滞が発生しているのもそのためだろう。

そんな中、国土交通相の諮問機関の社会資本整備審議会が、高速道路の在り方に関する中間答申をまとめたが、それによると、今回の首都高1000円値上げで味を占めたのか、大都市圏の渋滞緩和に向け、混雑状況に応じて料金を変動させる制度の本格導入を提言した。全国で実施している休日割引をお盆などの繁忙期には適用しない方針も打ち出したという。

答申では、首都高1000円値上げのこの仕組みを参考に、大都市圏の主な渋滞発生区間で時間帯や曜日を区切って割引や割り増しを導入するよう求めたそうだ。

きょうの朝日や日経などが詳しく報じているが、国交省では、中央高速小仏トンネルなどで試行した上で、将来的には混み具合に応じ、機動的に料金を変えられる制度の導入を目指すという。また、割引制度をめぐっては、休日割引について、渋滞緩和を目的に大型連休やお盆といった繁忙期は適用外とすることを提案。午前0〜4時の深夜割引は、料金所前でのトラックの渋滞を防ぐため、適用する時間帯の拡大を求めたなどと伝えている。

さらに、今回の答申では2065年までを期限とする高速道路の有料期間を再延長すべきだとも明記。老朽化で維持更新費が膨らむため、料金徴収を継続し財源を確保するという。

日本道路公団が05年に民営化した際、50年までに建設費の借金を返済し、無料化すると法律で定めたが、12年の中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を機に、巨額の更新費を確保する必要があるとして14年に返済期限を65年に延長していた。今回の再延長で無料化はさらに遠のくことになり、将来無料開放するという“公約”が揺らぐことになり、当然、重い負担を強いられるユーザーなどの反発も予想され、調整が難航する可能性もある。

2021年7月27日付

●デジタル広告政府法整備議論、巨大ITは自主ルール (読売・8面)

●JALシステムは全国で一時障害、搭乗手続きできず (読売・9面)

●高速道「変動料金」国交省が導入検討(朝日・1面)

●ホンダ特許技術砂浜きれいに (朝日・6面)

●関東・東北近づく台風,警報級風雨の恐れ (朝日・31面)

●温室ガス家庭排出66%減、政府計画素案目標大幅引き上げ (毎日・1面)

●検証、水素エンジントヨタの本気「車らしさ」残し脱炭素 (毎日・4面)

●東南ア車工場停止、トヨタなどコロナ禍拡大 (毎日・6面)

●4連休都心の人出減、五輪で交通規制外出控え(産経・3面)

●ワクチンパスポート「国内活用、早く方針を」観光業者ら独自の割引(産経・9面)

●電動航空機「離陸」近づく、英ロールス・ロイスなど試験試行、経済回復・脱炭素、追い風(日経・14面)

●ルネサス半導体出荷正常化、需要拡大で不足解消遠く(日経・15面)

トヨタの水素燃料自動車《写真提供 トヨタ自動車》