『マツダ2』は昨年7月に『デミオ』から名称変更されたクルマだ。そのタイミングで『CX-5』的な鋭い目つきに生まれ変わった。もちろん、それだけでなく、最近のマツダらしく走りにも磨きをかけている。
◆「大人っ!」と思わせるホワイトレザーのインテリア
今回ステアリングを握ったのはその特別仕様車、XD ホワイトコンフォート(White Comfort)。今年100周年を迎えたマツダは100周年特別仕様車もラインナップするが、それとは別モノとなる。こちらはコンパクトボディながら、名前通り白を基調としたどこか上品に仕上がっているシロモノだ。ホワイトレザーのインテリアがそう感じさせるのだろう。乗り込むと、「大人っ!」と思わせる。
◆マツダのディーゼルに合うステアリング
エンジンは1.5リットル直4直噴式ターボのSKYACTIV-Dを搭載する。すでに多くの方がその味を知っているだろうが、マツダらしいスッキリしたフィーリングの持ち主である。アクセルに対するレスポンスはディーゼルとは思えないほどよく、走らせるのが楽しくなる。上までしっかり回るのがいい。
そのエンジンの性格にピッタリ合っているのがステアリング。大き過ぎない径もいいし、グリップの太さもグッド。これ以上太くなると最近のBMWのように、せっかくの繊細なフィーリングが楽しめなくなる。パワステのセッティングも含め、このステアリングは操作感を強く感じる秀逸な仕上がりだ。
◆このサイズでも上品さを感じる乗り心地
また、乗り心地もそんなキャラクターに合っている。普通に考えればこのクラスとしては硬めとなるだろうが、そこに違和感はない。しかも単に硬さが残るのではなく、段差などのあたりに関してはしなやかにこなしている。サスペンションの縮み側の設定が絶妙なのだろうか。このサイズであってもそこに上品さを感じる。16インチタイヤとの相性も良さそうだ。
アグレッシブな走りも楽しめるし、のんびりと海岸線を流すような時の乗り味もいい。個人的に思うに、この辺のキャラはVW『ポロ』に近い気がする。かなり広範囲でクルマ好きを飽きさせないクルマだ。調べると、今回のXD ホワイトコンフォートはプライスもけっこう近い。イメージは、あちらはポップでこちらはクール。日本車もいい仕上がりになってきた、と感じる一台である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身。
【マツダ2 新型試乗】「ポロ」に近いキャラ、日本車もいい仕上がりになってきた…九島辰也
2020年08月01日(土) 12時00分
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