トヨタ・ヤリス《撮影 中野英幸》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

「3・11」。あの悪夢のような東日本大震災から9年となる。一つの区切りとされる「10年ひと昔」にはあと1年あるが、関連死を含めた死者・行方不明者が2万2167人、今も全国で4万7737人が避難生活を余儀なくされているという厳しい現状からみても、復興はまだまだ道半ばである。

きょうの各紙も「福島なお4万人避難、新たな街、戻らぬ人」(読売)、「想定甘く復興住宅浸水」(毎日)。さらには「被災地、再生先行き懸念」(日経)などの見出しが目を引く。このうち、原発事故に見舞われた福島について、読売は「政府が復興の総仕上げとする『復興・創生期間』の終了まで1年。住民も巻き込み、地域のために知恵を出し合う10年目になる」と伝えている。

朝日は社説での中で、重い現実を「子や孫の代まで見据え、どんな町や暮らしを描くのか。自治体や政府に何ができ、国民一人一人がどう関われるのか。考え続けなければならない」と結んでいる。

「3・11」の特集企画だらけのきょうの紙面だが、それはともかく、トヨタ自動車が子会社のトヨタ自動車東日本の岩手工場で生産する新型『ヤリス』の受注状況を発表した。

一般紙には取り上げられていないが、トヨタによると、2月10日の発売から1カ月間で、事前受注を含めて約3万7000台。月間目標(7800台)の5倍近くに達したそうだ。

国内の新車販売は昨年10月からの消費増税と新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前年割れを続けている。出足好調の新型ヤリスが、震災後に誕生した『アクア』に代わって東北の被災地にも一隅を照らすような新たな「復興の星」となれるか注目したい。

2020年3月11日付

●新型コロナ、イベント自粛10日延長、政府要請、追加対策4308億円、入国拒否イタリア北部も(読売・1面)

●東日本大震災9年、避難なお4.7万人、人口34万人減(朝日・1面)

●ホンダ操業再開許可(朝日・3面)

●トヨタ、入社式を中止(朝日・8面)

●ベンツ、1万4000台リコール(朝日・29面)

●コロナ米国市場直撃、原油安企業倒産警戒(毎日・7面)

●銀座地下首都高ルート、検討会が整備中間報告(東京・6面)

●東南アジア新車販売14%減、主要6か国とも不振、1月(日経・10面)

●トヨタ、レクサス減産、国内2工場で中国販売が不振(日経・15面)

●自動運転向け高精度地図作製、トヨタ子会社(日経・15面)

●車部品、コロナが迫る再編(日経・17面)