アイアコッカ氏(2006年)《photo (c) Getty Images》

気になるニュース・気になる内幕。今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析する新聞ウォッチ。…………

若い人たちには余り馴染みがないようだが、米国の自動車産業が「ビッグスリー」と呼ばれて隆盛を極めていた時代を象徴するカリスマ経営者として名声をとどろかせ、昨年11月に逮捕・起訴されたあのC被告は足元に及ばないほどの存在感を発揮した、「米産業界の英雄」だったといえるだろう。

フォードモーター社長やクライスラー(現フィアット・クライスラー・オートモービルズ、FCA)会長を歴任したリー・アイアコッカ氏が7月2日、ロサンゼルスの自宅で亡くなったことが報じられた。7月3日付夕刊の速報に続いて、きょうの各紙もアイアコッカ氏の訃報を「米自動車産業最後の華」(日経)などと、取り上げている。

アイアコッカ氏といえば、イタリア“移民の子”として生まれ、1946年にフォードモーターに入社後、ベビーブーマー向けのスポーツカー『マスタング』の開発を主導し、1970年には社長に就任したが、創業家のヘンリー・フォード・ジュニア氏によって78年に解任。1980年代、経営破綻寸前に陥ったクライスラーを救った手腕として「奇跡の経営者」としても名声を高めた。

当時、クライスラーと「不平等条約」とも呼ばれていた資本提携を結んでいたのが三菱自動車だったが、クライスラーとの合弁工場を米国のイリノイ州に建設。1988年に行われた開所式には、アイアコッカ氏も訪れ、三菱自動車の舘豊夫社長(当時)と固い握手を交わしながら、オーラを放っていた姿が、30年余り過ぎた今でも鮮明に残っている。享年94とのことだが、栄枯盛衰、目まぐるしく変化する自動車産業の行く末をどう案じていたのだろうか。

2019年7月4日付

●首相消費税「10年上げず」党首討論、枝野氏、10%反対(読売・1面)

●総雨量宮崎で1000ミリ超、九州大雨、避難指示110万人(読売・1面)

●輸入高級SUV続々、アウディ1000万円級、国内勢も強化方針(読売・6面)

●高齢者向けEV経産省で試乗会(読売・6面)

●ハンドルないバス、公道実験、ソフトバンクグループ(読売・6面)

●アイアコッカ元会長死去、94歳、クライスラー再建に尽力(読売・7面)

●仏当局ルノー本社捜索、ゴーン被告披露宴疑惑で(読売・30面)

●米の日本車販売上半期は3.5%減、買い替え需要一巡(毎日・6面)

●車ソフトウエア開発、日産が人材育成拠点、報道陣に公開(産経・9面)

●ハイテク交通落とし穴、無人運転ぬぐえぬ不安(産経・12面)

●山手線、五輪中終電90分延長(東京・1面)

●ガソリン7週連続値下がり(東京・6面)

●自動運転関連企業に出資、損保ジャパンなど、80億円(日経・9面)

●テスラ、小型セダン堅調(日経・15面)

1965年型マスタングを発表するアイアコッカ氏(1964年、ニューヨーク)《photo by Ford Motor》 前輪駆動の1984年型ミニバン(プレマス・ヴォイジャー、ダッジ。キャラバン、ダッジ・ミニ・ラム・バン)を発表するアイアコッカ氏(1983年)《photo by FCA》 アウディQ8発表《撮影 小松哲也》 東京イタリア街を走行するSBドライブの実証実験車両、ハンドルないバス。《撮影 会田肇》