日産 デイズ 新型(ハイウェイスターX プロパイロットエディション)《撮影 島崎七生人》

◆クルマそのものは「力作だよね」

2013年の初代発売以来、これまでに累計で約43万台の販売実績をもつ『デイズ』。6年振りの今回のモデルチェンジで、折しもいろいろなことが起こっている最中での登場となったが、クルマそのものは「力作だよね」といえる仕上がりぶりだ。

試乗車は新型『デイズ』の「ハイウェイスターX」。三菱の『ekクロス』相当のモデルラインで、外観ではダイナミックにあしらった“Vモーショングリル”が目に止まる。というか、そのデザインそのものが、『ノート』や『リーフ』などと横並び感を醸し出しており、実車を街中で見かけると、軽を超えた存在感。

オレンジのルーフは『ekクロス』にもあるが、アチラがベージュ系のひとヒネリある色の組み合わせでコダワリを表現しているのに対し、コチラはホワイトパールを組み合わせ、個性的ながらよりプレーンな嗜好に合致させた風なのも特徴だ。

◆内装、安全装備も軽を超えた上質感


一方で内装は、試乗車ではプレミアムコンビネーションインテリアとし、こだわりと上質感をモノにしている。外観もそうだが、今回の新型では室内に乗り込むと、ここでも軽を超えた上質感が伝わってくる。

新型は日産主導での設計だったと聞くが、登録車の基準で作られ、それが軽のサイズに凝縮された分、より濃密な造りに仕上がったのではないか……そんな印象を受ける。

アクセル、ブレーキ、ハンドルの各操作をアシストするプロパイロットの採用も、軽らしからぬ手厚さの現れ。「遠出してほしい」とはエンジニアの思いのひとつだったそうだが、安全性を高めアクシデントから乗員を守るための機能や装備を充実させる姿勢は、ドシドシ進めてほしいものだ。

◆手頃なコンパクトカーとして乗りやすい


走りは爽快だった。試乗車は2WD車で車重が870kgと4WD車よりも軽く、他方でタイヤは165/55R15 75Vのため、自然なロードホールディングにより姿勢変化も穏やかなもの。搭載エンジンはノンターボながらストレスのないパフォーマンスを発揮してくれる。軽というより、小型車基準の手頃なコンパクトカーとして乗りやすいクルマに仕上げられている。

ちなみに写真を2点ほど載せておいたが、オーテック製のカスタマイズモデルの「ボレロ」も登場。非ハイウェイスターがベースで、コンビのステアリングや明るい内装は若い女性ユーザーが“心弾む自分のクルマ”として乗りこなすにはピッタリだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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