◆目玉はおよそ40%伸びた航続距離!
今年1月に販売を開始した日産『リーフe+(イープラス)』。アメリカではこの春から、ヨーロッパでは今年半ばとなる予定だから日本は先行発売といえる。
目玉はおよそ40%伸びた航続距離。日本のWLTCモードで458km、JC08モードで570kmとなる。WLTCモードはJC08モードよりも実燃費に近いとされる。今後こちらがデフォルト表記になるようなので、覚えておくと便利だろう。
で、それを可能にしたのが新しいバッテリーモジュール。これまでそれぞれのモジュールをハーネスでつないでいたものをレーザーで溶接、ハーネスを基盤化させた。要するにひとつの塊としてくっつけたということ。
よってスペース効率が高まり電池をたくさん積めるようになったのだ。しかも、床下を15mm下げただけで室内容積は通常のリーフと変わらない。お見事!
◆ストレスフリー感は高まった
それだけじゃない。最高出力を45%アップ、最大トルクを6%アップして中間加速も速めた。航続距離が伸び、さらにパワフルになったのだからこの上ない。実際に走らせてもそこは如実に感じたし、電費を気にしないで乗れるストレスフリー感は高まった。
しかし、正直いいことばかりでもない。車両重量が130から140kg増えたことで、連続するコーナーでは時たまもっさり感が顔を出す。ステアリング操作に対してボディが若干遅れる感じだ。いきなり運動性能が落ちるわけではないが、スタンダードのリーフと乗り比べると気になる。乗り比べれば、だが。
とはいえ、バネ下重量が増えたわけではないため、ハンドリングが悪くなったのではない。ステアリングセンターが軽すぎるパワステの設定は好みではないが、スイスイと向きを変えることができる。高速道路での車線変更や高速コーナーでの安定感は素晴らしい。
そんなリーフe+とスタンダードモデルとのエクステリア上の違いは、バッジとフロントスポイラー下の青いリップ。日産的には見た目の違いを避けたようだが、個人的にはもっとスペシャル感を出した方がいい気がする。カスタマーにとってはプラス50万円の出費ですからね。周りにもアピールしたいかと。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。「Car EX(世界文化社 刊)」副編集長、「アメリカンSUV(エイ出版社 刊)」編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌「LEON(主婦と生活社 刊)」副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの"サーフ&ターフ"。 東京・自由が丘出身
【日産 リーフe+ 新型試乗】もっと“プラス”感をアピールしてもいい…九島辰也
2019年03月14日(木) 20時00分
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