日本自動車大学校NATSが展示する『RX-STANCE』(東京オートサロン2019)《撮影 宮崎壮人》

カスタムカーの祭典、東京オートサロン2019が1月11日に開幕。メーカーによる新型車発表も相次ぎ、盛り上がりを見せている。そんな中、毎年学生たちによる個性的なクルマの出展が話題を集める日本自動車大学校NATSのブースで、ひときわ目立っていたのが『RX-STANCE』と名付けられた一台だ。

フロントマスクの意匠、そして鮮やかなレッドのボディカラーは、2015年の東京モーターショーでマツダが初公開した『RX-VISION』そっくり。だがサイドを見ると、何やら見覚えのある観音開きのドアが。そうこれはマツダのロータリースポーツ『RX-8』をベースとしたカスタムカーだ。

「RX-8をベースに新しいRXシリーズを…」をコンセプトに制作したというRX-STANCE。その名にある「STANCE」とはアメリカなどでトレンドになっているカスタム方式で、いわゆる“シャコタン”だ。RX-STANCEでは、RX-VISIONのシルエットを再現するためにオーバーフェンダーによるワイド化、そしてロングノーズ化が図られている。特にノーズは25cm延長しているそうだ。

ロングノーズ化にともないエンジンルームが寂しく見えてしまったため、オリジナルのカバーを自作したのがこだわりだという。TRUST製のラジエーターを“くの字”に配置することで、車高ダウンにも一役買っている。またトランクにはエアサスシステムを組み込んだ。車高を自在に上下させることができる。これもこだわりのSTANCE流といったところだろう。

制作には6名の学生が関わり、半年かけて完成させた。それでも時間は足りなかったようで「年末から1日1〜2時間くらいしか眠れませんでした。ホント、ギリギリまでやってました」と、説明してくれた学生は笑っていた。

NATSブースに展示されているカスタムカーはすべて、学生たちによるもの。もちろん授業の一環としておこなわれているものだ。オートサロンに出展したクルマたちは、実際に自分たちで車検取得をおこない、テストランキャラバンとして公道を走るという。目立つこと間違いなしのキャラバンだが、その中でもRX-STANCEは異彩を放つことだろう。

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