マツダ アテンザ セダン 改良新型(25S L Package)《撮影 島崎七生人》

2度目の大改良
デビュー以来2度目の大改良。都合3度目の“新型”との対面ということになるが、当然というか、もちろんというべきか、これまででもっとも納得の行く対面、試乗となった。

試乗車はお馴染みのソウルレッド(クリスタルメタリック)ということもあり、変化感は一見すると小さい。けれどフロントグリルはフレームがナンバープレートに隠れるほど低く大型化し“構え”がドッシリとした。ホイール(試乗車は19インチ)も伸びやかなスポークを強調した、シンプルだがクラス感に見合ったデザインだ。

外観以上に中身が変化
インテリアの変化は外観以上。“また新しくなった”ポイントは、見た目ではインパネだ。前モデルは、(野暮ったかった)初期モデルに対し、格段に洗練された印象だったが、今回はよりセンスで磨きをかけている。水平横方向に1本の筋が通ったところと、センターコンソールとドアトリムの対になったスーッとした流れは上品で居心地がいい。

通称“マツコネ”のロータリーコマンダーも、ダイヤルの指で触れる部分が、従来のクセのある断続パターン(←個人的に強くコンプレインを申し入れ続けていた)から、連続した細かなダイヤカットになり、感触、操作性が向上した。機能面ではトランクオープナーが追加されたり、シートが設計し直され、着座してみると、スッと身体を受け止め、そのままホールドしてくれる。

過去最良のなめらかな走り
走りは総じて過去最良のなめらかさになった。サイドウォールで入力をいなす新規開発タイヤ(先の『CXー3』と同様だ)の採用も手伝い、19インチでも“アシ”のしなやかさが増して街中での乗り味が格段にフラットになったし、ステアリングの切る/戻すも操舵力(パワーアシストの制御とのバランス)が自然にスムースに感じられるように。

新しい2.5リットルガソリンエンジンは、排気量相応の力強さを実感しながら走ることができる。また気筒休止が入ったのも特徴だが、走行中、気筒数が切り替えが実行されたことは、燃費計が振り切ることで目で確認はできても、体感上は普通はほとんどわからないだろう。ルーフライニングに仕込まれた吸音材(従来は遮音タイプ)により、トンネル内の走行時などで車外音の室内への侵入が小さくなったことも実感できた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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