ヴァリアントのラゲッジスペース容量は最大で1620リットル。ひと頃は上級モデルの『パサート』のヴァリアントが1500リットル台だったから、時代とともにパッケージングがいかに進化してきたかがわかる。
最新の商品改良では『ゴルフ』の全シリーズが生まれ変わり、ヴァリアントも新型にスイッチした。とはいえ外観はヘッドランプ、バンパー、アルミホイールなどのデザインこそ新しいが全体のイメージはハッチバック同様に変わらない。ボディ色の設定が一部入れ替わった程度だ。
インテリアでは12.3インチのフルデジタルメータークラスター(オプション)、9.2インチのタッチスクリーン採用のインフォテイメントシステムの設定などが新しい。それと試乗車の「ハイライン」では、シート表皮にリサイクル性の高い“マイクロフリース”を新採用。フリースという名で想像しやすいはずだが、これはエクセーヌ、カブロン、アルカンターラなどと同様の毛足の短いしっとりとした風合いの表皮で、本革とはまた趣を違えた機能的だがやさしい感触が、ヴァリアントの室内にも合っている印象だ。
試乗車は1.4リットルターボ+7速DSGを搭載。エンジンスペック、ギヤ比などは5ドアハッチバックモデルと共通だ。が、カタログで見ると車重はハッチバック+60kgで、この差により、加速はより穏やかに感じられた。誤解を解いておけば、だからといっても決して物足りない訳ではなく、ハッチバックとホイールベースが共通ながら乗り心地もハンドリングもよりゆったりとしており、そんな走りっぷりの一環としてエンジンの仕事ぶりも的を得たもの…といったところ。手頃なボディサイズ、第一級の実用性など、同車の魅力は色褪せていない。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
【VW ゴルフ ヴァリアント 試乗】手頃なサイズと、色褪せない第一級の実用性…島崎七生人
2017年07月16日(日) 12時00分
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