VW ゴルフGTI 改良新型《撮影 諸星陽一》

『ゴルフ』のスポーティモデルである「GTI」は初代から連綿と続く人気車種。現行7代目にも設定されていたGTIも標準タイプ同様にマイナーチェンジを受けた。

標準タイプではエンジン関係の変更が行われなかったゴルフだが、スポーティ系となるGTI(と「R」)はエンジンのパワーアップが行われた。GTIのエンジンは形式こそ2リットルターボと従来タイプと同様だが、最高出力は10馬力アップとなる230馬力と相変わらずのパワフルさ。ミッションも従来どおり6速MTと6速DSGが用意されるが、DSGはギヤ比が変更されている。

試乗車のGTIは6速DSGモデル。走りは1.4リットルエンジンを積む標準タイプのゴルフの延長線上にあるようなイメージ。エンジン回転がスムーズに上がり、それにシンクロして速度が上がっていく。DSGの変速はスムーズにしてシームレス。まるでCVTのようにギヤチェンジ感なく速度が上がっていく様は気持ちのいいもの。ギヤ比の変更はわずかなもので、パワーアップによる余裕を燃費に振り分けるためにギヤ比を上に設定したような印象だ。

試乗車はオプションとなる225/40R18サイズのブリヂストン・ポテンザS001を履くが、乗り心地はかなりいい。イメージとしては40タイヤではなく50タイヤくらいの乗り心地。それでいてハンドリングはビシッと引き締まったもの。GTIにはプログレッシブステアリングが装備され、ロック・トゥ・ロックは2回転とかなりシャープだ。

とくに感心させられるのはコーナー進入時。ステアリングの切り始めからすぐにインを向く機敏なフィーリングはスポーティモデルらしいもの。さらにコーナーが回り込んでいてロールが持続するような場面でも、サスペションがしっかりと伸び縮みしてタイヤのグリップを引き出してくれる。

ゴルフという実用性の高い基本性能はそのままに、スポーティな性能を加えたGTIは、街乗りからスポーツドライブまであらゆるシチュエーションで高い性能を発揮してくれる。クルマ好きをうならせる要素がてんこ盛りで、乗れば欲しくなること請け合いの1台だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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