
スズキを代表するスーパースポーツバイク『GSX-R1000』『GSX-R1000R』が大幅改良を施され、シリーズ40周年を記念したレーシングカラーを採用し登場した。2026年より、欧州、北米等、世界各国で販売を開始する。日本では2022年を最後に販売を終了しており、復活が期待されていた。
「GSX-R」シリーズは、1985年の初代『GSX-R750』発売から2025年で40周年を迎えた。これまでシリーズ累計生産120万台以上を生産している。また、世界耐久選手権での20回のタイトルを含め、スーパーバイク世界選手権、全日本ロードレース選手権など数々のレースで栄光を勝ち取ってきた。
「GSX-R1000」は、「GSX-R」シリーズの最上位モデルとして2001年より欧州、北米等で販売を開始。2024年には、鈴鹿8時間耐久ロードレースに、サステナブル燃料などを使用した実験的クラスとして設定される「エクスペリメンタルクラス」へ「チームスズキCNチャレンジ」として参戦し、8位で完走した。
今回のモデルチェンジでは、“The King of Sportbikes(スポーツバイクの王者)”としての高い性能を犠牲にすることなく、排ガス規制と騒音規制に対応し、エンジン内部部品の徹底的な見直しに加えて、最新の電子制御システムや、軽量、コンパクトで信頼性が高く、幅広い温度特性を持つエリーパワー製のリチウムイオンバッテリーを採用することで、更なる進化を遂げた。
◆排ガス規制への対応と高い出力性能を両立インジェクター、シリンダーヘッド、カムシャフト、バルブ、ピストン、クランクシャフトなどのエンジン内部部品の形状などを全面的に改良し、厳しい排ガス、騒音規制をクリアしながら、高パフォーマンスと耐久性の向上を実現した。
バルブの最大リフト量は変えず、リフトカーブを変更することでカムシャフトオーバーラップを減らした。耐久レースなど厳しい環境下で使用されることを想定し、カムチェーンの幅を広くした。
排気システムの形状や触媒類の配置を見直すことで、排ガス規制への対応と高い出力性能を両立した。また、レイアウトを変更したことでマフラーボディがスリムでスタイリッシュなデザインとなった。
最高出力は13200rpmで195ps、最大トルクは11000rpmで110Nmを発生する。新しい鍛造アルミニウムピストンは短いスカートとカットアウェイサイドを持ち、圧縮比を13.8:1に向上させた。
◆8耐マシンと同じカーボンファイバー製のウィングレット現行モデルで高い評価を得ている、軽量コンパクトで高剛性なツインスパーアルミフレームを継続して採用することで、「走る、曲がる、止まる」の基本性能が高次元で調和した。サスペンションはショーワ製のバランスフリーフォークとリアショックを採用し、電子制御ステアリングダンパーも装備する。
ブレーキはフロントにブレンボ製モノブロックキャリパーと320mmディスク、リアに単一キャリパーと220mmディスクを装備。新しいABSユニットは従来モデルより51g軽量化された。
フロントカウルには、2024年の鈴鹿8耐で「チームスズキCNチャレンジ」の車両が装着していたものと同じカーボンファイバー製のウィングレットを用品として設定(一部地域では装着販売)することで、車体にダウンフォースを発生させコーナリングからの立ち上がり時にフロントのリフトを抑制し、スムーズな加速を実現した。
◆S.I.R.S.(スズキインテリジェントライドシステム)加速時にフロントホイールが浮き上がるのを抑制し、スムーズな加速をサポートするようリフトリミッターを追加した。
IMUと車輪速センサーが車体姿勢と車速を検出し、車体のバンク角と車輪の回転数に応じて後輪の駆動力をコントロールし、コーナリングから最適な加速ができるようトルクを制御するロールトルクコントロールを装備した。トラクションコントロール、リフトリミッター、ロールトルクコントロールは、「スマートTLRシステム」として連動して機能する。
◆往年のレーシングマシンを彷彿させるデザイン「GSX-R」シリーズ40周年を記念し、往年のレーシングマシンを彷彿させる3色を設定した。「Pearl Vigor Blue / Pearl Tech White」(ブルー)、「Candy Daring Red / Pearl Tech White」(レッド)、「Pearl Ignite Yellow / Metallic Mat Stellar Blue」(イエロー)。
このほか、車両側面やタンク上部、キーマスコットに40周年記念グラフィックやエンブレムが施された。シートやマフラーには「GSX-R」ロゴがあしらわれている。
































