イタリアの伝説的自動車デザイナー、ダンテ・ジャコーザ氏《photo by Fiat》

イタリアの伝説的自動車デザイナー、ダンテ・ジャコーザの生誕120周年と代表作のフィアット『600』の誕生70周年を記念する第7回追悼イベントが、イタリアのネイヴェで開催された。

イベントの中心となるのは、フィアット500クラブ・イタリアが主催するクラシックフィアット500の全国集会。参加者はランゲ丘陵を巡るツアーに参加し、バルバレスコに立ち寄った後、ネイヴェ墓地でジャコーザの墓前に献花を行った。また、ネイヴェの中世の街並みには、ジャコーザが設計した歴史的車両が展示された。

ステランティス・ヘリテージは、トリノのヘリテージハブから貴重なコレクションを出展。展示車両には、フィアット600の基礎となったフィアット『100プロトタイプ』(1955年)、カラビニエリ仕様のフィアット『600ムルティプラ』、フィアット『500Bトポリーノ』、そしてフィアット『128』が含まれていた。

フィアット100プロトタイプは、1952年から1954年にかけて製作された5台のうち唯一現存する車両だ。ジャコーザは戦後イタリアの大衆車として、4人が快適に乗車でき、荷物スペースも確保した手頃な価格の車両を目指した。当初は重量450kg、巡航速度85km/h以上という設計目標を掲げ、リアエンジン・リアドライブ方式を採用した。

フィアット600は1955年3月のジュネーブモーターショーで発表され、即座に大成功を収めた。633ccのティーポ100エンジンを搭載し、最高出力21.5hp、最高速度95km/hを実現した。イタリアでの生産は1969年に終了するまでに260万台を超え、世界全体では約500万台が製造された。

現在のフィアット600は電気自動車とハイブリッド版で展開され、オリジナルの包括的で革新的な精神を受け継いでいる。また、280hpを発生する新型アバルト600eは、史上最もパワフルなアバルトとして、1950年代から1960年代にかけてレーシング600を象徴的存在にした大胆なキャラクターの現代的解釈を提供している。

フィアット『600ムルティプラ』《photo by Fiat》 フィアット『100プロトタイプ』《photo by Fiat》 フィアット『128』《photo by Fiat》 フィアット『500Bトポリーノ』《photo by Fiat》