初代トヨペット・クラウン《写真撮影 関口敬文》

トヨタモビリティ東京は1月7日、東京の虎ノ門にトヨタ『クラウン』専門の新店舗『THE CROWN 東京虎ノ門』をオープンした。当日はオープニングセレモニーが開催され、トヨタ自動車クラウンチーフエンジニアの清水竜太郎氏、クラウンチーフデザイナーの宮崎満則氏(※)らもプレゼンテーションに訪れた。※崎の旁は上が立

◆1955年の同日、この虎ノ門店で初代クラウンの発表会が行なわれていた
オープニングセレモニーでは、トヨタモビリティ東京 THE CROWN東京虎ノ門グランドマイスター伊藤裕氏が登壇し、次のように語った。

「THE CROWN 東京虎ノ門は通常のトヨタ店とは違い、クラウンに特化した店舗となっている。作り手であるトヨタ自動車とそれを送り届ける販売店が一体となり、より深くクラウンブランドの魅力をお伝えしていく店舗としてオープンした。じつはクラウンは、虎ノ門と大きなかかわりがある。1953年に東京トヨペット虎ノ門本社が設立され、1955年1月7日にこの虎ノ門店で初代トヨペット・クラウンの発表会が開催された。当時としては異例の1万8000人がこの虎ノ門に来場したという記録もあり、この日を境に国産乗用車への関心が高まり、普及へのきっかけとなった」

そんなクラウンの原点ともいえる場所にオープンしたTHE CROWN東京虎ノ門は、「この聖地から、クラウンとの新しい絆を」といったコンセプトを反映した店舗作りがなされている。

まず店舗内にあるインテリアは、地元東京の伝統文化・自然・人・地産地消にフォーカスし、東京の木、多摩産材を採用した家具が選ばれている。お客様へのおもてなしの面では環境を意識し、季節ごとに違う日本茶やコーヒーを、こだわりの茶器と茶菓子とともに提供。「茶の間」を意識した交流で絆を深めていくとのこと。またインスタントメッセージングアプリ『LINE』を通じてのお客様とのコミュニケーションや、迅速な対応を行うために生成AIを活用するといった新たな技術も取り入れられる。

そのほかクラウンの体験を最大化するための取り組みも用意されている。高速道路での特別試乗会、長期試乗プログラムだけでなく、クラウンとの始まりを記念する特別納車プログラム『CROWN Premiere Ceremony』で、食事や記念写真撮影などがセットになった特別な体験ができるプランも用意される。クラウンオーナーに向けては、特別なイベントなどの案内をする「ハンドレットオーナークラブ」も用意され、よりクラウンを体感できる特別なイベントも順次開催される予定だ。

◆伝統や歴史を残しながら、時代に合ったクラウンを作る
チーフエンジニアの清水氏、チーフデザイナーの宮崎氏、ゲストの中澤佑二氏、マギー氏の4人による、トークショーも開催された。

「自ら切り開いた道」というトークテーマでは、清水氏がクラウンの伝統や歴史を残しながら、時代に合ったクラウンを作る事の難しさを吐露。宮崎氏は、リフトアップしたセダンについては、ありそうでなかったとのことで、コンセプトの考え方だけではなく、リフトアップしながらきちんと車にしていくのはデザインするうえでとても大変だったと語った。

中沢氏は、娘さんが始めたラクロスをもっと知らなきゃいけないというところから、自分も見るだけじゃなく、指導できる立場にならなきゃいけないと考え、ラクロス指導者のB級、A級のライセンスを取ったとのこと。残りの取得目標は国際的にも指導できるS級を残すのみで、現在は横浜の大学で指導者もしている。マギー氏は、子供の時からクルマが好きでいまでは自分でもスポーツカーに乗っているが、モータースポーツの世界にはまり、国内B級からA級のライセンスを取って、今はフォーミュラ4の練習もしている。いろんな人にモータースポーツの情報を発信することで、モータースポーツへの壁を少しでもなくし、近くに感じてもらいたいと考えているとのこと。

THE CROWN店は、東京虎ノ門と同日開業した大阪千里に、既存の千葉中央、横浜都筑、愛知高辻、福岡天神を合わせて全国6店舗となる。

THE CROWN 東京虎ノ門の1階にある初代トヨペット・クラウン。動態保存されており、倉庫からここまでは自走で来たとのこと。《写真撮影 関口敬文》 初代トヨペット・クラウン《写真撮影 関口敬文》 受付にあるクラウンのエンブレム《写真撮影 関口敬文》 店舗内には昔懐かしのクラウンの写真が飾られている。《写真撮影 関口敬文》 過去に発売されたクラウンのカタログも展示。《写真撮影 関口敬文》 コンセプトにもなっている「絆」が掲げられていた。《写真撮影 関口敬文》 特別仕様車『CROWN “THE LIMITED-MATTE METAL”』のセダン《写真撮影 関口敬文》 2階はサービス工場だ。《写真撮影 関口敬文》 7台の整備エリアが用意され、1台は完成検査場になっていた。《写真撮影 関口敬文》 クラウンの原点でもある東京・虎ノ門に『THE CROWN 東京虎ノ門』がオープン《写真撮影 関口敬文》 3階はトヨタモビリティ東京 虎ノ門店となり、クラウン以外のトヨタ車についてはこちらを利用する。《写真撮影 関口敬文》 現在はマット仕様のクラウン特別仕様車(クラウンスポーツ、クラウンクロスオーバー)2台とクラウンスポーツが展示されていた。《写真撮影 関口敬文》 商談スペースでは、ボディカラーやオプションを選んだクルマがモニター上に表示され、走行イメージが体験できる。《写真撮影 関口敬文》 シックな色を基調に、落ち着いた雰囲気となっている。《写真撮影 関口敬文》 トヨタ自動車クラウンチーフエンジニア 清水竜太郎氏。《写真撮影 関口敬文》 クラウンチーフデザイナー 宮崎満則氏。《写真撮影 関口敬文》 元日本代表のサッカー選手である中澤佑二氏。16代目のクラウンは初見から心に刺さったクルマだったとのこと。《写真撮影 関口敬文》 タレント・モデルであり、実業家でもあるマギー氏。クルマへの造詣も深い。《写真撮影 関口敬文》 1953年にオープンした東京トヨペット虎ノ門本社。《写真撮影 関口敬文》 1955年の1月7日に初代クラウンが虎ノ門本社で発表された。《写真撮影 関口敬文》 クラウンはいつも注目されるクルマだった。《写真撮影 関口敬文》 トークセッションでは中澤氏のサッカーではない意外な話も聞けた。《写真撮影 関口敬文》