ヤマハ MT-25に装着されたパフォーマンスダンパー(資料画像)《写真撮影 中野英幸》

ヤマハ発動機の車両用車体制振ダンパー「ヤマハパフォーマンスダンパー」の2004年からの生産本数が、累計300万本を達成したと発表された。

「ヤマハパフォーマンスダンパー」は、乗用車および二輪車の主要部に搭載する車体制振ダンパー。走行中の車体のごくわずかな変形や振動を穏やかに整え吸収するための装置で操縦安定性や快適性の向上に寄与する。ヤマハの二輪車向けには定番のチューニングとなっているだけでなく、トヨタやレクサス、ホンダなどの四輪車にも純正採用されている。

1mm以下のごくわずかな車体の変形に対し、減衰要素を付加することで車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして発散。これにより車体の過大な変形速度が抑制され、高い運動性と安定性を両立する。コーナリングのスムーズ化、衝撃吸収とノイズ低減、揺れの抑制、ドア閉め音の上質化、カーオーディオの音質向上、タイヤ摩耗量の低減など、操縦安定性の向上だけでなく快適性にも貢献する。

ヤマハが2000年に考案後、2004年4月に量産品として初めて採用、2016年11月の累計100万本、2020年1月の累計200万本を経て、累計300万本を達成した。

「ヤマハパフォーマンスダンパー」は、2005年に一般財団法人機械振興協会が主催する「第3回新機械振興賞」にて機械振興協会会長賞に選ばれたほか、2006年には公益社団法人自動車技術会が主催する「第56回自動車技術会賞」にて技術開発賞、2008年には公益財団法人新技術開発財団(現・公益財団法人市村清新技術財団)が主催する「第40回市村産業賞」の貢献賞を受賞している。

ヤマハ「パフォーマンスダンパー」《写真提供 ヤマハ発動機》 累計300万本達成記念式典の様子《写真提供 ヤマハ発動機》