ダイハツ・グランマックス《写真提供 ダイハツ工業》

『タント』や『ミライース』などのユーザーからすれば、この先、新たな不正や処分が判明して「型式指定」取り消しの車種がさらに拡大するのか、どうかが気がかりだろう。

◆3車種の形式指定を取り消しへ
トヨタ自動車の完全子会社であるダイハツ工業の認証不正問題を巡り、国土交通省が商用トラックのダイハツの『グランマックス』、それにOEM(相手先ブランドによる受託生産)供給しているトヨタの『タウンエース』とマツダの『ボンゴ』の3車種ついて、量産に必要な「型式指定」を取り消す手続きを開始したという。

きょう各紙にも、毎日が1面トップで「ダイハツ型式取り消しへ」との大見出しで報じたほか、総合面の「焦点」のテーマにも「悪質不正問われる体質、ダイハツ、トヨタ抜本改革急務」などと関連記事を掲載。「指定の再取得まではダイハツだけでなく、部品メーカーや販売店まで幅広く影響が及ぶことになる。国土交通省は、ダイハツの企業体質が不正の背景にあるとして再発防止策の提出を命令。ダイハツとトヨタにとって経営体制の抜本改革は急務となりそうだ」などと言及している。

◆生産再開のめどは立たず
また、読売は経済面に「ダイハツ広がる動揺、信用失墜避けられず」とのタイトルで「処分が決定すると、消費者に身近な小型車では初の措置となる異例の事態だ。ダイハツは再取得を目指す方針だが、国交省の調査では新たな不正が判明し、生産再開のめどは立たないとしており、自動車メーカーとしての信用失墜は避けられず、販売店や取引先にも動揺が広がる」とも伝えている。

さらに、朝日は「ダイハツ経営刷新の意向、トヨタ社長『関与足りなかった』」を見出しに、「親会社であるトヨタの佐藤恒治社長がダイハツとともに再発防止策の策定に取り組むとともに、経営体制を刷新する意向を示した」と。産経などは「1か月後をめどに見直しを検討する考え」とも報じている。

「刷新」という言葉は自民党の政治資金パーティ券問題でも聞き覚えがあるが、佐藤社長は「(親会社として)クルマづくりの現場への関与が足りなかった」と謝罪。確かに関与は経営面の強化で「現場」への関与は足りなかったとも思われるが、身の丈を超えたようなオーバーワークで現場が30年以上も悪質な不正行為を自主的に行っていたのかどうかには疑問が残る。

2024年1月17日付

●「損保ジャパン機能不全」最終報告、ビッグモーター取引(読売・2面)

●ダイハツ型式取り消しへ、3車種認証不正、是正命令、国交省(毎日・1面)

●NEC自動運転実証実験へ(毎日・7面)

●ダイハツ新体制来月めど、トヨタ社長(産経・2面)

●スズキ、ハンガリー工場停止、1週間、紅海攻撃で物流混乱(産経・7面)

●トヨタ、小型EV「シーポッド」生産終了へ(日経・31面)

●新千歳で旅客2機接触、キャセイと大韓航空、移動車両スリップ(日経・34面)

トヨタ・タウンエース《写真提供 トヨタ自動車》 マツダ・ボンゴ《写真提供 マツダ》 トヨタ・シーポッド《写真提供 トヨタ自動車》