いすゞ自動車の片山正則会長(11月22日、自工会記者会見)《写真提供 自工会》

“再登板”に“続投”と異例の長期にわたって日本自動車工業会(自工会)の会長職を務めている豊田章男氏(トヨタ自動車会長)が、ようやく退任する見通しである。

次期会長には、筆頭副会長の片山正則氏(いすゞ自動車会長)が就任する方向で「関係者で調整している」などと、きょうの読売のほか、毎日、産経が報じている。

◆大手3社以外で初めて
自工会の会長ポストをトヨタ、ホンダ、日産自動車の大手3社以外で、しかもトラック・バスが主力事業の商用車メーカーが担うのは、1967年の自工会発足以来、初めてのケースとなる。

自工会会長の任期は1期2年、トヨタ、ホンダ、日産の3社が2年交代の輪番制で就任するのが慣例だった。しかし、豊田氏は日産出身の志賀俊之会長の後任として、2012〜14年に会長を務めた後、18年5月からも再登板し、自工会組織の改革や東京モーターショーを改称(現ジャパンモビリティショー) 、しかもコロナ禍でショーの延期を決断するなど困難を乗り切るために1期2年の慣例を改めて異例の通算で3期続投を決意した。

◆現会長豊田氏は多忙
ただ、豊田氏は、財界の総本山である経団連のモビリティ委員会の委員長にも就任して多忙を極めており、今年4月1日にトヨタ社長を退任すると同時に、自工会の会長職を辞任する意向を示したが、理事会メンバーの慰留を受け、やむを得ず任期満了まで続けることを決めたという経緯がある。

次期会長人事については、きょうの理事会で決定後、正副会長が出席する午前11時半からの記者会見で、主催者側の発表では111万人以上が来場したとされるモビリティショーの総括とともに、後任の会長に片山氏を充てる人事を公表するとみられる。だが、豊田氏は、発表前にメディアが“新聞辞令”として報じることを嫌がるために正式に発表するのかどうかは流動的でもある。

2023年11月22日付

●日産北米10%賃上げ、春闘交渉「影響せず」見方、「ビッグ3」に追随(読売・8面)

●34路線赤字存廃議論も、東日本昨年度(読売・9面)

●自工会長、片山氏で調整、いすゞ会長、商用車メーカー初(読売・9面)

●無人運転バス年内にも、公道で「レベル4」実用化へ(朝日・7面)

●全米自動車労組、25%賃上げ承認、日韓大手にも拡大の動き(朝日・7面)

●ビッグモーター金融庁聴聞欠席、陳述書を提出(毎日・6面)

●円売り急ブレーキ、147円台前半、2カ月ぶり高値(日経・3面)

●世界ブランド価値、アップル首位、BMW、初のトップ10(日経・17面)

●トヨタ金融子会社の米法人、不適切行為で支払い命令(日経・17面)

●八千代工業のTOB成立、ホンダ(日経・17面)

いすゞ自動車の片山正則会長(向かって左)とトヨタ自動車の豊田章男会長(11月22日、自工会記者会見)《写真提供 自工会》 自工会記者会見(11月22日)《写真提供 自工会》