FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》

EV専業メーカーのFOMMが新型EVのFOMM TWOをジャパンモビリティショー2023でお披露目した。フル軽サイズの広々とした室内で4人が楽々と乗れて、しかも独自の4WS機構により、戦車のような超信地旋回やカニのような横移動も可能だ。

◆インホールモーターを活かしたコンパクトで利便性の高いEV
FOMMは2013年創業で、独立系EVメーカーとしては老舗だ。創業社長の鶴巻日出夫氏はスズキからトヨタ系のアラコに転職して一人乗りEVの『エブリデーコムス』を開発。トヨタ車体で初代の『コムス』を開発したあと、自分が理想とするEVを作るため独立して創業。2014年に世界最小クラスの4人乗りEVを発表し、2019年には『FOMM ONE』の量産をタイで開始した。2021年には日本でも発売を開始し、現在は約50台が国内を走っている。

FOMM ONEの最大の特徴はインホールモーターによる前輪駆動だ。モーターを置くスペースが不要なため、コンパクトなボディでも4人が乗れる。またインホールモーターはFFでも大きな舵角をとれるため、一般的な軽自動車の最小回転半径が4.5mなのに対して3.8と非常に小回りが効く。水害の緊急時には前輪で水をかいて水上走行もできる。

FOMM ONEはコンパクトなボディが特徴だったが、今回お披露目された『FOMM TWO』は軽自動車の規格をギリギリ最大まで使った、かなり広い室内を持つ軽EVだ。やはりインホールモーターを採用し、4輪独立操舵の4WSとすることで最小回転半径は1.9mとなり、さらに真横への移動や戦車のような超信地旋回もデモ走行ではやってのけた。

FOM TWOの量産は2026年を目指している。生産はFOXCONNに協力を依頼中で、国内販売はヤマダ電機が行い、さらに販売パートナーを増やしていく。

本体価格は売り切りモデルで200万円以下、交換式バッテリーをシェアするシェアリングモデルは150万円以下という意欲的な価格設定で2026年の発売を目指している。

◆ヤマダ電機、出光興産と販売やサービスのネットワークを構築
FOMMは、ガソリン車を改造したコンバージョンEVの制作も行っており、2〜10分で交換可能なバッテリーシステムを特徴としている。このバッテリー交換システムはFOMM TWOに適用することも可能だ。コンバージョンEVの制作はASKnet(三井住友海上が支援する先進的自動車整備事業者の会)の会員16社と改造事業契約を締結。この16社はFOMM ONEのメンテナンスも行う。

また出光興産とも、EVのメンテナンスや軽自動車向けEVコンバージョンサービス体制、バッテリー交換サービスの構築などを検討しているとの発表もあった。

FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』と創業社長の鶴巻日出夫氏《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』価格1。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』価格2。《撮影:根岸智幸》 FOMMの新型 軽EV『FOMM TWO』スペック。《撮影:根岸智幸》 FOMMのバッテリー交換式コンバージョンEV。《撮影:根岸智幸》 FOMMのバッテリー交換システム。《撮影:根岸智幸》 FOMMのバッテリー交換システム。《撮影:根岸智幸》 FOMM TWOの開発、生産、販売、サポートの体制。《撮影:根岸智幸》 FOMMが2019年に開発した4人乗り量産型軽EV『FOMM ONE』。緊急時は水上走行もできる。《撮影:根岸智幸》 FOMMが2019年に開発した4人乗り量産型軽EV『FOMM ONE』。緊急時は水上走行もできる。《撮影:根岸智幸》 FOMMが2019年に開発した4人乗り量産型軽EV『FOMM ONE』のスペック。《撮影:根岸智幸》 FOMMが2018年のジュネーブもモーターショーで発表したオープンスポーツカーEV『AWDスポーツコンセプト』。《撮影:根岸智幸》 FOMMが2018年のジュネーブもモーターショーで発表したオープンスポーツカーEV『AWDスポーツコンセプト』。《撮影:根岸智幸》 FOMMが2018年のジュネーブもモーターショーで発表したオープンスポーツカーEV『AWDスポーツコンセプト』。《撮影:根岸智幸》