「パワードサブウーファー」の一例(カロッツェリア・TS-WH1000A)。Photo by カロッツェリア

サウンドユニットを自分で取り付けることに興味を抱くドライバーが増加傾向にある。当連載ではそういった方々に向けて、取り付け作業のコツや注意事項を紹介している。現在は「パワードサブウーファー」のインストールにおけるポイントを説明している。

さて、「パワードサブウーファー」はただ取り付ければ良いというものでもない。サウンドセッティングを間違うと、すべてが台無しになりかねない。

というわけでここまでは、「入力ゲイン」の設定法と、リモコンに搭載されている「フリークェンシー(周波数)」スイッチの使い方を説明してきたが、実は大事な項目がもう1つある。今回はそれについて解説していく。

大事な項目とは、「Phase(フェイズ=位相)」だ。さて、これは何で、どう操作すれば良いのかと言うと……。

まず「フェイズ」とは、「音波のタイミング」だとイメージしてほしい。音は空気中を水面を伝う波紋のように上下動を繰り返しながら進んで行く。で、「パワードサブウーファー」を導入したとき、「フリークェンシー」のスイッチにて設定した「パワードサブウーファー」の再生範囲の上限付近の音は、ドアスピーカーからも「パワードサブウーファー」からも聴こえてくる。このように同じ音が複数のスピーカーから聴こえてくる場合には、それぞれの「音波のタイミング」を揃える必要性が生じる。それが揃わないと、サウンドの一体感が損なわれてしまうからだ。

「フェイズ」切替スイッチは、その「音波のタイミング」を揃えるために装備されている。これを操作すると、「パワードサブウーファー」の「音波のタイミング」をひっくり返せる。当スイッチは通常、「正」か「逆」かを選べるようになっているのだが、「正」を選べば音波は「0度」のところをスタート地点として動き出し、「逆」を選ぶと「180度」のところから動き出す。

なので音楽を聴きながら当スイッチを操作して、「正」と「逆」とでどちらがサウンドの一体感が強まるのかを聴き分けよう。なお、一体感が強まると音が向かってくる感じが強くなり、音量も大きく感じられる。そう聴こえる方を選べば操作は完了だ。そうすることで、音楽の迫力が増し、楽曲が生き生きと再現される。

ただし…。「正」と「逆」とを切り替えても、聴こえ方が変わらないこともある。「音波のタイミング」がどっちつかずの状態になっている場合、音波を反転させても結局は「音波のタイミング」が揃わない……。

このような場合にはどうすれば良いのかは、次回の記事にて詳しく説明する。お読み逃しのなきように。