三菱eKクロスEV《写真撮影 雪岡直樹》

2023年春闘の労使交渉で、大手の自動車メーカーでは、いち早く“満額回答”を示したトヨタ自動車とホンダに続いて、日産自動車と三菱自動車も、賃金・賞与について労働組合側の要求どおりに満額で回答したという。

◆三菱は、総年収ベースで9%の引き上げ
このうち、三菱自動車は3月15日の集中回答日よりも1週間も前に、労働組合が要求した月1万3000円の賃上げなどで妥結。定期昇給(定昇)と基本給を底上げするベースアップ(ベア)相当分を合わせた賃上げ率は4%程度になるようだが、定昇とベア相当分の内訳は明らかにしていない。

一時金についても、前年実績よりも1か月分上乗せした6か月分の労組要求に対して満額で回答し、総年収ベースでは約9%の引き上げとなるという。

三菱自は人材採用強化の一環で初任給引き上げも決めた。大卒の場合、初任給は10%上げとなる。総年収ベースでは前年の約15%増となる見通しだ。

◆日産自動車も満額回答へ
一方、日産も、前年実績から4000円引き上げた月額1万2000円の賃上げ要求に対して、経営側が満額回答する方針を示したという。きょうの読売や日経などが「日産、3.4%賃上げ回答へ、満額の1万2000円、過去最高」などと報じている。

それによると、月1万2000円の賃上げは定期昇給(定昇)と基本給を一律で底上げするベアに相当し、賃上げ率は3.4%となる見通しで、現行の人事制度になった2004年以降で過去最高になるそうだ。

日産の満額回答は、3年連続となり、年間の一時金についても基準内賃金の5.5カ月と前年回答(5.2カ月)から0.3カ月分引き上げ、組合要求に満額で応じる方針だ。

日産と三菱自動車は、共同開発の軽自動車のEVが大ヒットするなど、業績は回復基調。直近の円安傾向も “満額回答”を引き出す好材料にもなっているようだ。トヨタ、ホンダ、日産、三菱自の4社が満額回答を示したことで、大手メーカーとしては、大盤振る舞いのプレッシャーがかかる中で、残るマツダ、スバル、スズキ、ダイハツなどの労使交渉の行方が注目される。

2023年3月9日付

●大谷いざ「二刀流」先発、WBC侍きょう初戦(読売・1面)

●日産と三菱自、満額回答、車大手賃上げ加速(読売・2面)

●日産、メタバースで販売(読売・10面)

●旅行支援継続へ、観光庁、来月以降、GWは除外(朝日・1面)

●WBC日本勝てば株価上昇? 資産運用会社過去の大会分析(毎日・6面)

●マスク混雑時も求めず、航空・鉄道 乗客に分かりやすさ、13日から個人の判断(産経・2面)

●JR東海、東電と協議へ、リニア水問題「県など了解後」(産経・11面)

●ANA、欧州線の開設再開、国際線で旅客収入引き上げ(日経・13面)

●H3失敗電源系統に異常、JAXA報告、エンジン点火せず(日経・38面)

日産がメタバースで試験販売:NISSAN HYPE LAB(ニッサンハイプラボ)スマホ操作イメージ《写真提供 日産自動車》 練習中の大谷選手(3月8日)《Photo by Koji Watanabe - SAMURAI JAPAN/SAMURAI JAPAN/ゲッティイメージズ》