社外ナビコンバージョンキットを搭載したトヨタ ノア《写真撮影 土田康弘》

11型、10型など大画面カーナビを数多くの車種で展開しているアルパイン。しかし最新モデルには純正ディスプレイオーディオの搭載に加え、純正機能との連携が複雑に関係していることから、市販カーナビへの交換取り付けが難しいモデルが多くなっている。

人気モデルの中でもやっかいと言われているのがトヨタ『ノア/ヴォクシー』(90系)だった。しかし、そんな懸念を吹き飛ばしてくれたのが大阪オートメッセ2023(2月10〜12日)に出展したアルパイン。従来は市販ナビへの交換が難しいとされていたノア/ヴォクシーに対応させた同社の大画面カーナビであるBIG X(ビッグX)を搭載して車両展示したのだ。

コンプリートカーである「ヴォクシーS-Z」に搭載されたていたのは11型ディスプレイを搭載したフローティング ビッグX(XF11NX2)。その名の通りディスプレイ部をダッシュパネルからフローティング設置することで11型の大画面をノア/ヴォクシーに取り付けることができるようにした人気のカーナビシリーズだ。

◆純正機能を極力活かしながら大画面を実現
このビッグXの取り付けには独自のノウハウが詰め込まれている。純正ディスプレイオーディオを外してビッグXをそのまま交換取り付けてしまうと純正機能の一部が正常に動かなくなるケースが想定されるのだ、これが従来ノア/ヴォクシーのディスプレイオーディオを市販ナビに交換できなかった大きなハードルだった。例えばクルーズコントロールやヘルプネットの機能などもそのひとつ。そこでアルパインではこれまで培った技術的な経験値を総動員して、ノア/ヴォクシーの純正信号・回路を徹底解析。その上でビッグXの取り付けを可能にしたのだ。

具体的には、「90ヴォクシー純正ディスプレイオーディオ移設キット」と呼ばれるパーツを用意、ビッグXを取り付けても純正機能が問題なく動作するように設計された移設キットとして製品化した。ディスプレイオーディオのユニットは取り外されて別スペースに移設(運転席前のハンドルポスト奥)されるので、ユーザーは純正を意識することなくビッグXを利用でき、純正機能もそのまま利用できるようになった。

従来は90系のノア/ヴォクシーへの市販ナビの取り付けをあきらめていたユーザーも、アルパインの開発したこの方法であれば問題なく大画面カーナビを導入できるようになった。ノア/ヴォクシーに高性能&高機能なアルパインの大画面カーナビを取り付けたいなら見逃せない手法となった。購入&取り付けに関しては全国のアルパインスタイルのお店に問い合わせてみると良いだろう。

※以下の仕様に関しては適合しないので要注意。10.5インチディスプレイオーディオ。ハイブリッド車でパノラミックビューモニター+パーキングサポートブレーキを選択した場合。パーキングアシスト付き車。

◆カスタマイズカー『カリナ』『ハバナ』も注目集める
さらにアルパインブースには、東京オートサロン2023で一般にお披露目されたオリジナルのカスタマイズカーである『カリカ』『ハバナ』も展示。アルパインスタイルが取り扱うオリジナルカーで、ベース車のイメージを大きく変更したエクステリアが見どころだ。カリカはトヨタ『ハイエース』をベースにしたカスタマイズカー。レトロ感を備えた角4灯ヘッドライトを備えたフェイスまわりやメッキパーツの投入、さらには多彩なカラーリングなどを備え、アルパイン発の“新型車”とも受け取れるオリジナリティを追求したカスタマイズカーとなっている。

もう一台はトヨタ『ライズ』をベースにした『ハバナ』。こちらもスクエア基調のグリルや角形ヘッドライトを備えたフェイスが個性的。バンパーなどにメッキパーツを多用することでクラシカルな雰囲気を演出。リアにもオリジナルのテールまわりやメッキバンパーを投入して個性的なフォルムを作り出している。

誰ともかぶらない新しいクルマが欲しい、しかもアルパインブランドのオリジナルカーなら安心感も抜群。新しいカスタマイズカーの楽しみ方を実践するには絶好の選択肢となりそうだ。

純正ナビを移設する形で機能を極力維持しながら大画面を実現《写真撮影 土田康弘》 発表以来多くの注目を集めている「カリカ」と「ハバナ」《写真撮影 土田康弘》 「カリカ」と「ハバナ」は予想以上の受注があり人気を集めているそうだ《写真撮影 土田康弘》 バリエーションも豊富な「カリカ」《写真撮影 土田康弘》